伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 11月9日版

日経平均は4万9073円を割ると、4万6544円まで下げる可能性が大きくなる

1.　NYダウは週明け後、勢いの強い上昇場面へ入るかが焦点

図1は、 NYダウの日足です。

前回の本コラムでは、NYダウは「11月の月足が陰線引けする場合、月初から下げの流れを作る」という11月の値動きの傾向を紹介しました。値動きの傾向を考慮すると、本年のNYダウは11月の月足が陰線引けする展開になる場合、11月3日高値の4万7697ドルが11月の最高値となって、11月中は上値重く推移すると考えられます。

弱気の展開になる場合、10月29日高値の4万8040ドルが4月以降の上昇の終点となって、上げ幅全体の修正局面（50％押しが4万2326ドル）へ入っているか、4月15日から21日の下げ幅（2961ドル幅、4月以降の上昇時の最大の調整幅）と同程度の調整となる4万5079ドルを目指すかのどちらかが考えられます。

どちらの場合でも、4万5079ドル以下まで下げる展開になると考えられます。

10月29日高値の4万8040ドルが戻り高値となった後、上値、下値を切り下げる弱気の流れを作っている経緯から、本年は11月の月足が陰線引けする展開となって、11月が4万5079ドルを目指す動きへ入っているという見方が有力だと言えます。

ただ、前週末の11月7日は4万6495ドルまで下げた後、下ヒゲの長い陽線をつけて、下値を支えられる動きとなっています。7日の安値付近は、10月3日～14日までと同程度の値幅の下げとなる地点です。

7日に下値を支えられる動きは、10月29日以降の下げが10月3日～14日の調整と同程度の下げで終わり、再上昇を開始する可能性を示唆しています。

現在は、11月中に4万5079ドルを目指す動きへ入っている可能性が大きいものの、週明け後の展開次第で上昇を開始することを考えておく必要が出てくるという状況です。

現在が下げの流れの途中なら、目先の価格が上昇しても、6日の高値4万7359ドルを前に上値を抑えられる公算です。

4万6495ドルが押し目になって上昇を開始するなら、目先は一気に11月5日高値の4万7460ドルまで上げる展開になると考えられます。

週明け後、上げ幅の大きな動きとなって4万7460ドル以上へ上げる場合は、年末へ向けて4万8040ドルを大きく上回る上げ場面へ入る可能性が出てきます。

図1　NYダウ（日足）と今後の展開