「共感不要&辛口歓迎」のAIで、半年2.5倍株に先回り
目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技
ゆうさんの場合-1回完結
イラスト:福島由恵兼業投資家。2019年に資産形成の一環として個別株を開始。これまで500万円近い元本を投下し、現時点で運用資産は1100万円に膨らんでいる。足元の投資スタイルはグロース株を中心とした長期投資。業績期待の大きい銘柄をガチホ(保有継続)して、じっくりと値上がりを待つのが基本だ。当初はスイングトレード取引が主体だったが、仕事中に異常事態が発生して慌てることになった経験を受け、現在の長期スタイルに22年からシフトしている。
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| この記事を読んで分かること |
| 1. バガー銘柄をゲットしたAI活用のポイント |
| 2. “半年2.5倍株”を掴むのに検証したポイント |
| 3. AIに辛口評価を求めるようになった痛い失敗の中身 |
「これからも業績成長が続くというのが私のシナリオです。問題点がないか、見落としている要素がないか、できるだけ辛口で評価してください」
今回登場するゆうさん(ハンドルネーム)は、油断するとつい調子に乗ってしまいがちな性格。そんな自分を戒めるメンター役として生成AI(以下AI)を活用している。
AIの使い方は、人によってさまざま。共感や賛同をもらって自分に自信をつけ、モチベーションを高めるのも1つのやり方。だが、ゆうさんは人間同士なら関係性が悪くなるような指摘や叱咤を、あえてもらっている。
言ってみれば、感情を持たないAIを逆手に取って、自分に甘くなってしまう態度を防いでいる。
落ち着き払った物腰も、投資ではアドレナリン全開で中小型株に集中投資
人は見た目によらない。ゆうさんは専門学校卒業して公務員職に就いている。短髪で整った身だしなみに、口調は落ち着きをはらっている。紳士然とした振る舞いには、多くの人が思い描く公務員の姿を裏切らない。
ところが投資となると、その外見からは想像がつかないスタイルを取る。中小型グロース株に集中投資し、大きな値上がり益を狙う。
本に曰く「アドレナリンが出る投資」を好む。それがゆえに、過去には「SNSで話題だから」と飛びつき、取得直後にストップ安を食らった苦い経験もある。
そんな自分と距離を置くために使っているのが、AIを使ったシナリオ検証だ。ネガティブな意見をあえて引き出し、「それでも君は投資するのか」と自分自身に詰問する。
その取り組みは少しずつ実を結び、現在の「勝負銘柄」の中からは株価が2倍、3倍と膨らむ「バガー銘柄」も生まれている。あえて自分に厳しく接してもらうAIの使い方を見ていこう。
■各投資家の生成AIの使い方(ゆうさんは右下の濃い青)

勝負銘柄はPOPER、競合や主要指数と差を広げる
ゆうさんの「勝負銘柄」は全部で6銘柄あり、これらに運用額全体(1100万円)の約半分を投じている。その1つが、学習塾向けに業務管理プラットフォームを提供するPOPER<5134>だ。
同社は、今年(2025年)の株価パフォーマンスで、競合のスプリックス<7030>やチエル<3933>、また史上最高値の更新モードに入った日経平均株価、そして東証グロース市場250指数(旧・東証マザーズ指数)を大きくアウトパフォームした期間が目立つ(下のチャート)。
足元では同+50%前後まで伸び率が縮小し、スプリックスと同程度の水準に落ち着いているものの、他の3つを上回るパフォーマンスを維持している。
■POPER、スプリックス、チエル、日経平均株価、グロース250のパフォーマンス比較(2024年末~)

注:日足ベース
動意づく1年以上前からガチホ
ゆうさんがPOPERに投資し始めたのは2023年10月、同社株が動意づく1年以上前のことだ。現在は2000株を保有しており、足元の時価評価額は180万円になる。現在調整モードに入っている同社株だが、初動が早かったこともあり含み益はその3分の1を占める。
トランプ関税や米国の金利情勢を巡る投資家心理(センチメント)の揺れ動きで、グロース株のボラティリティー(株価の変動率)が高くなっている中で、ゆうさんが含み益をガチホできている理由は主に2つある。
1つは、同社株に前のめりになりたくなる妙味をいち早く見出したこと、もう1つはその熱くなった気持ちをAIで冷静に客観視できたことにある。
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