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伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 11月24日版

市況
2025年11月24日 10時30分

休み明け後に上値重いなら、5万2636円が天井になっていることを再確認

1. 日経平均の11月4日高値は4月以降の上昇の終点となる公算

図1は 日経平均株価の4月から11月4日までの上昇場面です。日経平均株価は11月4日高値の5万2636円が戻り高値となって、下値を試す動きへ入っています。

この下げは、11月5日安値の4万9073円を割れて、上値、下値を切り下げるはっきりとした弱気パターンを形成しています。また、4月7日以降の上昇途中で現れた調整場面の中で、最も値幅の大きな動きとなっています。11月4日以降の下げ幅や下げパターン、上値を抑えられている日柄の長さから、11月4日の高値5万2636円は4月7日以降の上昇の終点となっていて、現在は上げ幅全体を修正する動きへ入っているという見方が有力です。

以前、終値から25日移動平均値を引いた乖離線は、4月以降の上昇局面で過去に現れたことのない水準へ到達していると紹介しました。過去に現れたことのないほどの勢いの強い上昇の流れを作り、半年以上上げ続けた上昇が終焉したというサインをつけているわけです。

積極財政派の高市早苗総理が誕生し、11月21日にはコロナ後で最大となる21兆円規模の総合経済対策を閣議決定しました。11月4日の高値は、このような材料もすべて事前に織り込んだうえでつけた高値であることを、11月4日までの上昇の動きと、4日以降の下げの動きが示しています。

11月4日以降は4月以降の上げ幅全体の修正局面として、38.2%押し付近の安値となる10月1日安値の4万4357円、50%押し付近の安値となる9月1日安値の4万1835円、61.8%押し付近の安値となる7月14日安値の3万9288円、4月7日安値の3万0792円まで下げる動きとなる公算です。

上げやすい1月から4月頃までの期間で再上昇を開始するとするなら、1月頃までの期間で値幅を伴った十分な調整を経過した後、まずは5万2636円を目指す動きとしての上げ局面が始まると考えられます。

図1 日経平均株価(日足)、4月からの上昇場面

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