EU、ロシア産ガス輸入禁止で合意 27年までに全面実施
EUは、ロシア産ガスの輸入を恒久的に停止することで合意した。ウクライナ侵攻を受け、ロシアとのエネルギー関係を断ち切ろうとするEUの取り組みの中で重要な節目となる。
合意によると、ロシア産ガスの輸入は27年秋から全面的に禁止される。液化天然ガス(LNG)や短期供給契約については、より早い時期に段階的に廃止することが決まった。
EUはこの歴史的決定により、信頼できない供給者への依存から脱却する。ロシアはこれまで欧州のエネルギー市場を何度も不安定化させ、エネルギーを利用した脅迫で供給を危機にさらし、欧州経済に損害を与えてきたと述べている。
ロシアからのLNG輸入は26年12月31日までに段階的に廃止され、パイプラインガスは27年9月30日までに停止される。しかし、ガス貯蔵量が必要水準を下回った加盟国については、期限を27年10月31日まで延長可能とした。
欧州委員会は、27年末までにロシアからの残るすべての石油輸入も段階的に廃止する方針に変更はないと述べた。フォンデアライエンお欧州委員長は「われわれはこのページをめくり、完全に新たな時代、すなわちロシアからのエネルギー完全独立の時代を迎える」と述べた。
EU全体のガス輸入に占めるロシア産の比率は現在13%で、22年のウクライナ侵攻前の約45%から大幅に低下。石油の輸入量のシェアも22年初めの26%から2%まで低下。EUは現在、ガスの大部分をノルウェーや米国などから調達している。
株探ニュース