中国カンブリコン、AI半導体で攻勢 エヌビディアの穴埋め狙う
中国の半導体メーカー、中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)は2026年にAI半導体の生産を3倍余りに拡大する。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。
中国市場でファーウェイから市場シェアを奪うとともに、エヌビディア<NVDA>の事実上の中国市場撤退で生じた空白の穴埋めを狙う。
関係者によると、北京に本社を置くカンブリコンは来年、AIアクセラレーターを50万個規模で供給する準備を進めている。内訳には、同社の最先端チップである「スーユエン590」と「スーユエン690」が最大で計30万個含まれる。
カンブリコンは主に半導体ファンドリー、中芯国際集成電路製造(SMIC)の最新製造プロセス「N+2」7ナノメートルを活用する。
中国政府は今年に入り、国内でのエヌビディア製品の使用抑制を本格化。カンブリコンの増産計画は、中国の半導体企業が急速に台頭していることを裏付けている。
米テクノロジーへの依存から脱却するため、中国は長期的な取り組みを進めており、ファーウェイも今後1年で最先端のAIチップの生産を2倍に増やす準備をしている。
AI半導体で世界をリードするエヌビディアのフアンCEOは11月、「同社は事実上中国から締め出されている。これがファーウェイなど国内勢の競争を一段と促す」との見通しを示した。
カンブリコンは今後、アリババ<BABA>など中国の大手AI関連投資企業から新規受注を獲得する見込み。
すでに、主要顧客には「TikTok」を傘下に置くバイトダンスが含まれ、同社はカンブリコンの全受注の50%以上を占めているという。
株探ニュース