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話題株ピックアップ【夕刊】(2):オークマ、バローHD、ヘリオス

注目
2025年12月10日 15時45分

■オークマ <6103>  3,740円  +15 円 (+0.4%)  本日終値

オークマ<6103>が底堅い。9日の取引終了後、既存株主である金融機関による合計434万7900株の売り出しと、需要状況に応じた上限65万2100株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施すると発表した。売り出しによる需給面での影響を和らげるため、取得総数350万株(自己株式を除く発行済み株式総数の5.78%)、取得総額100億円を上限とする自社株買いの実施も開示した。自社株買いの取得株数の上限よりも売り出し株数が多く、寄り付き直後は需給悪化を警戒した売りが出たものの、前日に公表された業界団体による11月の工作機械受注の速報値に対して評価する向きもあり、工作機械株への見直し買いがオークマ株にも波及したようだ。日本工作機械工業会は9日午後3時ごろ、11月の工作機械受注の速報値を発表。受注総額は前年同月比14.2%増の1362億9100万円となった。内需が落ち込んだ半面、外需が同23.2%増と高い伸びを示した。また、10日付の日刊工業新聞は工作機械主要4社の11月受注実績について報道。オークマの受注実績は前年同月比4.6%増となり、輸出に関しては同14.8%増と14カ月連続で前年同月を上回ったという。

■バローホールディングス <9956>  3,160円  +10 円 (+0.3%)  本日終値

バローホールディングス<9956>が3日続伸。午後1時ごろに発表した11月度の月次営業情報で、主力のスーパーマーケット既存店売上高が前年同月比8.1%増と33カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同3.3%増、客単価が同4.6%増とともに伸長した。

■ヘリオス <4593>  341円  -80 円 (-19.0%) ストップ安   本日終値

ヘリオス<4593>がストップ安。同社は9日の取引終了後、体性幹細胞再生医薬品の「HLCM051」に関する開発・申請方針を発表した。ARDS(急性呼吸窮迫症候群)治療薬の開発を優先して進める一方、脳梗塞急性期治療薬の国内での条件及び期限付き承認の申請については、2025~26年早期の申請資料のローリングサブミッションは行わず、改めて開発方針を検討するとした。一連の発表を嫌気した売りが膨らんだようだ。規制当局との協議状況や会社リソース状況を踏まえて決定した。脳梗塞急性期治療薬の今後については詳細が決定次第、公表するとしている。

■スバル興業 <9632>  3,120円  -100 円 (-3.1%)  本日終値

スバル興業<9632>が反落。9日の取引終了後に26年1月期の連結業績予想について、最終利益を30億2900万円から20億9200万円(前期比35.4%減)へ下方修正したことが嫌気された。9月に、首都高速道路(東京都千代田区)が発注する道路清掃業務の入札に関して、独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会による立ち入り検査を受けたことに関連して、現時点では事実関係や同社の法的責任の有無・内容は確定していないものの、将来発生する可能性がある損失の概算額である9億3700万円を独占禁止法関連損失として特別損失に計上したことが要因。なお、売上高293億2900万円(前期比3.1%減)、営業利益45億500万円(同6.3%減)は従来見通しを据え置いている。また、同時に発表した第3四半期累計(2~10月)決算は、売上高212億2300万円(前年同期比2.8%減)、営業利益35億9200万円(同1.5%増)、最終利益15億1300万円(同36.7%減)だった。

■ピクセルカンパニーズ <2743>  54円  +20 円 (+58.8%)  本日終値

ピクセルカンパニーズ<2743>が高い。同社は10日、臨時株主総会を開き、第三者割当による新株発行と第16回新株予約権について、原案通り承認可決されたと発表した。abc<8783>などから出資を仰ぐもので、新株に関しては金銭債権の現物出資による方法(デット・エクイティ・スワップ)により割り当てる。債務超過の回避と財務基盤の強化が目的で、有利発行のため株主総会での決議が必要だった。同日午前9時には財務基盤の再構築と中長期的な成長に向けたリバイバルプランも発表。AI対応GPUデータセンター事業を中心に成長戦略を推進する姿勢を示している。一連の発表を手掛かりとした買いが入ったようだ。同社株は東京証券取引所により特別注意銘柄に指定されており、11月27日付で監理銘柄(審査中)にも指定されている。

■カルナバイオサイエンス <4572>  304円  +80 円 (+35.7%) ストップ高   本日終値

カルナバイオサイエンス<4572>がストップ高。ここ上下に荒い値動きが続いており、今月2日ザラ場に259円の戻り高値を形成後急な調整を入れたが、足もとで再び投資資金の攻勢が顕著となっている。同社は研究開発型のバイオベンチャーでキナーゼ酵素の生産・販売、受託試験のほか、治療効果が高く副作用に乏しいキナーゼ阻害剤に特化した創薬に取り組んでおり、海外売上高が全体の7割を占めていることも大きな特徴だ。そうしたなか、9日取引終了後、次世代型BTK阻害剤docirbrutinib(AS―1763)のフェーズ1b臨床試験の途中結果、および新たな非臨床研究の結果を第67回アメリカ血液学会(ASH)で発表が行われたことを開示した。フェーズ1b試験では高い安全性と有効性を示し、非臨床研究では既存BTK阻害薬で課題となっている点を克服できる可能性があることが示された。これを材料視する買いが集中した。

■アウンコンサルティング <2459>  286円  +49 円 (+20.7%)  本日終値

アウンコンサルティング<2459>に物色人気集中。低位材料株に動兆が相次ぐなか、同社もこの流れに乗り一気に大底圏離脱の動きをみせている。SEOコンサルティングを柱とするが、多言語サービスの強みを横軸展開させインバウンドプロモーションで新境地を開拓している。人工知能(AI)の最適化(AI検索エンジンや生成AIでコンテンツが引用されやすくする戦略)を支援する「AIOコンサルティング」の海外展開を本格始動することを、9日取引終了後に開示した。業務提携先であるAI Hack(東京都港区)のAIO分析ツールの新機能「検索エリア設定機能」を活用し、海外向けサービスの提供を開始しており、これを手掛かり材料に投機性の強い資金が集結する形となった。

■ブロードメディア <4347>  2,005円  +306 円 (+18.0%)  本日終値

ブロードメディア<4347>が急伸し、2015年4月以来、およそ10年8カ月ぶりの高値圏に浮上した。英エーブイアイ・ジャパン・オポチュニティ・トラストが9日、ブロメディアに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表。TOB価格は1株2200円で、ブロメディアの株価はこれにサヤ寄せする動きとなった。買付予定数は上限が設けられ、ブロメディアの上場は維持される見通し。AVIの買い付け予定数の上限は77万5300株(自己株式を除く発行済み株式総数の10.88%)で、下限は設定しない。ブロメディアによると、AVIは9月30日時点でブロメディア株を179万3100株(同25.16%)保有する。ブロメディアは今後、公開買付届出書など関連情報を精査し、見解を公表する予定としている。

■アクリート <4395>  1,043円  +150 円 (+16.8%) ストップ高   本日終値

アクリート<4395>がストップ高。同社は9日、合弁契約を締結している米フォワードエッジAIが、米ミサイル防衛局(MDA)の上限1510億ドルの大型契約で、プロジェクトの主導企業(元請け)に選定されたと発表。これが材料視されたようだ。この契約は、「Golden Domeイニシアチブ」(全国防衛ネットワーク構想)の基礎となるもので、極めて重要な国家ミッションの一環。同社ではアクリートとフォワードエッジAIが設立準備を進めている合弁会社「Forward Edge-AI Japan」が国内で総代理店として取り扱う主力製品のひとつ「Isidore Quantum」の技術力の高さを裏付けるもので、今後の国内事業展開への期待を更に高めるものだとしている。

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