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福井コンピュータホールディングス:NEUTRAL継続【今村証券アナリストレポート】

材料
2025年12月10日 16時07分

担当 近藤 浩之

●福井コンピュータホールディングス <9790> [東証P]
レーティング:NEUTRAL(2025/5/21)→ NEUTRAL

◆建築と測量の専用CAD市場で国内トップシェア
◆法改正・制度改正に対応し営業最高益、有価証券評価損計上で最終減益
◆新サービスを立ち上げ

【タイトル】

出所:福井コンピュータHD、ブルームバーグ、今村証券

◆建築と測量の専用CAD市場で国内トップシェア

道路や河川のインフラ工事から建築物(住宅やビル)に至るまでのパッケージCAD(コンピュータを使用して設計や製図をするシステム)の開発・販売が主力。「建築システム」事業のメインターゲットは建築設計事務所や工務店などの住宅事業者で、建築図面や見積書、部材の発注書といった書類の作成スピードを高めることができる。測量会社や土地家屋調査士業、土木施工業向けの「測量土木システム」事業は土地・建物の形状、面積の図面を自動作成したり、作業現場での設計変更に対応可能なソフトウェアを提供し、現場写真管理、出来形管理などの業務にも対応している。「ITソリューション」事業は選挙の出口調査システムなどを手掛ける。

◆法改正・制度改正に対応し営業最高益、有価証券評価損計上で最終減益

今期(2026年3月期)第2四半期累計期間の売上高は前年同期比13%増、営業利益は同18%増となって過去最高を更新した(資料1、出所:決算短信)。建設業界は労働時間の上限規制適用、人手不足、資材価格の高騰などの問題を抱え、生産性向上への意識が高まっており、この需要を取り込んだ。今年4月に施行された建築基準法改正、来年4月から開始予定のBIM((注)参照)確認申請制度などに対応した製品の新規導入や既存顧客によるライセンス増設が進み、保守サービスや使用権売上であるストックビジネスも伸長した(資料2、出所:決算説明資料・事業報告書)。今年7月に参議院選挙が実施されたため、ITソリューション事業も堅調だった。

(注)BIM(Building Information Modelling)…コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム

(資料1)売上高・営業利益の推移

【タイトル】

(資料2)売上高の内訳(四半期毎)

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一方で純利益は前年同期比18%減だった。特別損失に投資有価証券評価損(8億3000万円)を計上した。

◆新サービスを立ち上げ

建設業に特化しワンストップで解決策をWeb上で提供する新しいサービスプラットフォーム「FC Apps Direct」を昨年12月に公開した。このプラットフォームでは、生産性向上に寄与する自社やパートナー企業の製品・サービスを提供する。ホームページによると、現時点で提供している製品・サービスは56種であり、今期中に100種へ増やすとの目標に対して順調に進捗しているとの見方を示している。提供製品・サービスを増やすだけでなく、それぞれの製品・サービスを連携することで、調査・設計・施工・維持管理・情報管理といった建設業のライフサイクルを一貫してカバーできるようにする。サービスを通じて生まれるデータは今期稼働した自社データセンターで一元管理し、利用ログの蓄積・解析を行い、顧客の業務の自動化、最適化を促していく。

この新しいサービスが業績に好影響を与え始めるのは、2028年3月期と会社は想定している(資料3、出所:決算短信・リリース)。

(資料3)中期経営計画

【タイトル】

◆投資判断はNEUTRAL継続

第3四半期以降も、ストックビジネス、製品販売は堅調が続くとみられる。ITソリューション事業は前年同期に衆議院選挙があった反動が避けられない。これを踏まえて、今村証券による今期業績予想は、売上高160億円(前期比+8.7%)、営業利益68億円(同+11.8%)、純利益39億円(同▲6.9%)とする。会社予想比では、売上高、営業利益は若干上振れ、純利益は特別損失計上の影響を補いきれずに下振れるとみた。来期(2027年3月期)は、大型選挙の予定がないために増収率、営業増益率が鈍化し、特別損失がなくなるとの前提で、売上高165億円(今期今村証券予想比+3.1%)、営業利益70億円(同+2.9%)、純利益46億円(同+17.9%)を予想する。配当金予想は今期が会社予想通りの73円、来期が「配当性向35%以上」の会社方針に則って78円とする。投資判断は「NEUTRAL」を継続する。

【レーティングの定義】
OUTPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超上回ると予想される。
NEUTRAL:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンの+10%と-10%の間に入ると予想される。
UNDERPERFORM:今後12カ月間のトータルリターンがTOPIXの予想リターンを10%超下回ると予想される。
トータルリターン:株価変動率+配当利回り
目標株価は12カ月間の投資を想定しており、将来発行されるレポートで修正されることもあります。

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今村証券株式会社

金融商品取引業者 北陸財務局長(金商) 第3号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会

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【アナリストによる証明】

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今村証券より提供されたレポートを掲載しています。

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