心理的な抵抗水準を明確に上抜けてくるかを見極め/オープニングコメント
11日の日本株市場は、買い先行で始まった後はこう着感が強まりそうだが、押し目狙いのスタンスになりそうだ。10日の米国市場は、NYダウが497ドル高、ナスダックは77ポイント高だった。米連邦準備理事会(FRB)が10日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めた。FOMCメンバーによる政策金利の見通しは、前回同様2026年に1回(0.25%)の利下げが行われるとの見通しが示された。パウエルFRB議長の会見は思ったほどタカ派寄りではないとの見方から買い安心が広がった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比260円高の50860円。円相場は1ドル=155円90銭台で推移している。
シカゴ日経225先物清算値にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。FOMCを通過したことで買い安心感が高まりやすいだろう。ただ、日経225先物はナイトセッションで一時50920円まで買われたものの、上値抵抗線として意識されているボリンジャーバンドの+1σ水準に上値を抑えられていた。心理的な抵抗水準を明確に上抜けてくる動きにならないと、次第にこう着感が強まる可能性はありそうだ。
日経平均株価の+1σは50905円辺りに位置している。まずは同バンドを突破してくるかを見極めたいところである。FOMC通過で海外勢のフローは一段と細ると考えられ、商いが膨らみにくいなかで先物市場の動向に振らされやすい。さらに先物市場では週末に先物・オプション特別清算指数算出を控えているため、積極的にポジションを傾けてくる動きは限られる。短期的な売買が中心になりやすく、大きく振らされる局面があっても、その後の反動も早いだろう。
先物の動きや指数インパクトの大きい値がさハイテク株の動向にらみの展開になりそうである。また、FOMC通過で市場の関心は来週の日銀の金融政策決定会合に移る。利上げは織り込まれていることもあり、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうである。半導体・AI関連株への物色意欲は根強いほか、防衛関連など政策に絡んだ銘柄への物色も続きそうである。そのほか、NISA需要から配当志向の物色なども意識されそうだ。
《AK》