アドビが決算受け上昇 ただ、AI時代の成長力になお懸念が残る内容=米国株個別
(NY時間10:10)(日本時間00:10)
アドビ<ADBE> 348.13(+5.00 +1.46%)
アドビ<ADBE>が上昇。前日引け後に9-11月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。残存履行義務(RPO)も予想を上回っている。ガイダンスも公表し、予想を上回る通期の見通しを示した。また、25年度のデジタルメディアの期末年ベース経常収益(ARR)は目標を上回り、26年度は10%超の成長を見込んだ。
ただ、AI時代の成長力になお懸念が残る内容との見方も出ている。26年度の売上高見通しは260億ドル前後を見込んでいるが、一部では264億ドル超を予想する声もあり、高い期待には届いていない。
ナラヤンCEOは「AIエコシステムでのわれわれの存在感が高まり、AI駆動ツールの採用が急速に進んでいる」とコメント。ただし、3カ月前に示したAI関連指標は今回更新されなかった。9月には、AI関連の年換算売上高が50億ドルを突破し、AIファースト製品は2.5億ドル超の売上を記録したと述べていた。
アナリストは「AIによる破壊懸念がアプリケーションソフト全般を覆っている。投資家が戻るには、懸念を払拭する強く持続的な成長加速が必要だ」と指摘している。
なお、同社は普及拡大の一環として、フォトショップとアクロバットをオープンAIのチャットGPTに統合すると発表。一部機能は無料提供される。
(9-11月・第4四半期)
・1株利益(調整後):5.50ドル(予想:5.39ドル)
・売上高:61.9億ドル 10%増(予想:61.1億ドル)
デジタルメディア:46.2億ドル(予想:45.5億ドル)
デジタル体験:15.2億ドル(予想:15.1億ドル)
サブスク:59.9億ドル(予想:59.0億ドル)
製品:0.74億ドル(予想:0.71億ドル)
サービス・その他:1.31億ドル(予想:1.38億ドル)
・営業利益(調整後):28.2億ドル(予想:27.8億ドル)
・残存履行義務(RPO):225.2億ドル(予想:222.8億ドル)
・研究開発費:11.0億ドル(予想:11.0億ドル)
(12-2月・第1四半期見通し)
・1株利益(調整後):5.85~5.90ドル(予想:5.66ドル)
・売上高:62.5~63.0億ドル(予想:62.4億ドル)
(26年度通期見通し)
・1株利益(調整後):23.30~23.50ドル(予想:23.37ドル)
・売上高:259~261億ドル(予想:259億ドル)
・年ベース経常収益(ARR):10.2%増
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース