年末年始で積極的な売買は手控えられる【クロージング】
29日の日経平均は3営業日ぶりに反落。223.47円安の50526.92円(出来高概算16億9000万株)で取引を終えた。前週末の日経平均の上昇の反動や祝日明けの米国株の軟化を背景に主力株中心に利益確定の売りが先行した。また、円相場が一時1ドル=156円台割れ目前に迫るなど円高基調に振れていることも重荷になった。ただ、実質的にきょうは2026年相場入りしているとあって、個人投資家による押し目買いなどが入っており、売りが一巡後は下げ渋る展開となっていた。
東証プライム市場の騰落銘柄数は、値上がり銘柄数が1000に迫り、全体の6割超を占めた。セクター別では、非鉄金属、卸売、鉄鋼、海運など18業種が上昇。一方、ゴム製品、鉱業、医薬品、食料品など15業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、フジクラ<5803>、伊藤忠<8001>、ファナック<6954>堅調だった半面、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、KDDI<9433>が軟調だった。
取引開始前に発表された12月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」で、利上げ継続姿勢が示されたことから、外為市場で円が買われ、1ドル=156円台前半まで円高に振れ、日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。一方、貴金属市場が上昇しているため、住友鉱<5713>、三井金属<5706>、DOWA<5714>などの非鉄株が値を上げたほか、日銀の利上げ観測を背景にした利ざや改善期待から三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、みずほ<8411>のメガバンク株など金融株には値を上げる銘柄が増えた。
きょうは実質的に2026年相場入りしたため、少額投資非課税制度(NISA)の新年枠を使うことができる初日でもあり、個人投資家を中心とした買いが入ったようだとの声もあり、相場は深押しには至らなかった。ただ、年末年始の休暇入りで市場参加者が少ないほか、来週には米国で12月のISM製造業景況指数(1月5日)や非製造業景況指数(7日)、雇用統計(9日)など、重要経済指標の発表が相次ぐため、米景気の行方を見極めてから動いても遅くはないと考える投資家も多く、全般は様子見姿勢の強い展開が続いていた。
《CS》