ルルレモン、創業者のウィルソン氏が委任状争奪戦を仕掛ける意向と伝わる=米国株個別
(NY時間13:56)(日本時間03:56)
ルルレモン<LULU> 212.10(+3.13 +1.50%)
ヨガウエアのルルレモン・アスレティカ<LULU>は、創業者のウィルソン氏が、同社が新たなCEOを探す中で、取締役会を刷新することを目的に委任状争奪戦(プロキシーファイト)を仕掛ける意向だと伝わった。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として伝えた。
ウィルソン氏は取締役候補として、オン・ランニングの元CEOのマウラー氏、ESPNの元最高マーケティング責任者(CMO)でESPNWを創設したジェンティル氏、そしてアクティビジョンの元CEOで「コール・オブ・デューティ」などの主要フランチャイズを統括したエリック・ハーシュバーグ氏の3人を指名したという。
ウィルソン氏自身が取締役会に復帰する意向はなく、現在も約9%を保有する第2位株主として影響力を行使する構えだという。
創業者自らが敵対的な取締役会闘争に乗り出すのは異例で、同社は足元でブランドの方向性を見失う、アイデンティティ危機に直面しており、今月初めにはマクドナルドCEOが1月に退任すると発表した。株価も年初来で45%下落し、市場全体の上昇に大きく後れを取っている。
米国での売上高は伸び悩み、アロ・ヨガやヴオリといった新興ブランドに市場シェアを奪われる中、ウィルソン氏は「マクドナルド氏と経営陣が革新性を失いクールさを失った」と公に批判してきた。
変革を求める動きは他にもあり、アクティビスト投資家のエリオットは10億ドル超の持ち分を構築し、次期CEOとしてラルフ・ローレン<RL>出身のニールセン氏を推していると報じられた。関係者によるとウィルソン氏はニールセン氏とも話しているが、現取締役会が選ぶCEOでは株主の信任を得られないと考え、まず取締役会の入れ替えを優先したい意向だという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース