「ダウの犬」戦略にとっては好調な年に
2025年は、「ダウの犬」と呼ばれる配当利回りを意識した戦略をとった投資家は好調な年となった。ダウ採用銘柄の中で配当利回りが最も高い10銘柄は先週末の時点で平均17.8%上昇し、ダウ平均の14.5%をアウトパフォームしている。
アムジェン<AMGN>やジョンソン&ジョンソン<JNJ>などのヘルスケア株に加え、IBM<IBM>やシスコシステムズ<CSCO>といった老舗のハイテク企業も大きく上昇し、これらは年初来で28-44%の上昇を記録。一方、2025年にマイナスとなりそうなのはP&G<PG>くらいで、全体として2019年以来の好成績となる見通しとなっている。
背景にはFRBの利下げ継続観測があり、米10年債利回りも低下する中、高配当株の相対的な魅力が高まった。もっとも、来年はこれら高配当株にも変化が見込まれ、株価上昇で配当利回りが低下したIBMやシスコシステムズ、マクドナルド<MCD>は外れ、出遅れ感が出ているナイキ<NKE>、ユナイテッドヘルス<UNH>、ホーム・デポ<HD>が新たに高配当株に加わりそうだ。ウォール街はこれらの銘柄の巻き返しを期待しており、目標株価は平均で約2割の上昇余地が示されている。
一方、アムジェンやジョンソン&ジョンソン、ベライゾン<VZ>、シェブロン<CVX>などは引き続き高配当銘柄として残り、特にベライゾンとシェブロンは高利回りと割安感が評価されている。
「ダウの犬」戦略は年ごとのばらつきは大きいものの、安定配当と株価回復余地を兼ね備えた戦略として、金利低下局面では来年も一定の存在感を保つと期待されているようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース