「Gemini3」と「マイクロソフト」で読むAI相場の行方~その2
加藤明 野村アセットマネジメント
チーフ・ポートフォリオマネージャーに聞く~最終回
・前回記事「『Gemini3』と『マイクロソフト』で読むAI相場の行方~その1」を読む
| この記事を読んで分かること |
| 1. 「AI活用銘柄」の着眼点 |
| 2. 現時点で期待のセクター、様子見のセクター |
| 3. 「AIインフラ銘柄」と「AI活用銘柄」の配分方針 |
野村アセットマネジメントのチーフ・ポートフォリオマネージャーの加藤明さんが担当する「野村グローバルAI関連株式ファンド」でも、組み入れ上位の中に活用関連銘柄が顔を出す。
最終回では、「フィジカルAI」を含め現時点でのAI活用銘柄の着眼点や注視材料などを聞いた。
加藤明さんのプロフィール:国内運用会社を経て、2021年に野村アセットマネジメント入社。グローバル株式のポートフォリオマネージャーとして米国の成長株を中心に10年以上の運用経験を持つ。担当しているファンドは「野村グローバルAI関連株式ファンド」、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」がある。博士号(工学)取得。
まず注目は「膨大なオリジナルデータを抱える大企業」
――AI活用銘柄は、どのような基準で選別していますか。
加藤: まず当ファンドでは、AI活用銘柄の定義を「AIを活用して既存事業の利益率を高められる企業」としています。その前提に立つと、銘柄選別のポイントは
1. 膨大なオリジナルデータを抱えている
2. それを「使える状態」に整備している
3. 既存事業とAIの親和性が高い
――の3つになります。
これらの条件を満たす企業の中から、市場が織り込む成長率を前提にDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)法で企業価値を算定します。そこから導き出した理論株価が、現在の株価を大きく上回る銘柄を優先して投資する方針です。

――「膨大なオリジナルデータを抱えている」という点では、規模の大きい企業ほど有利に見えます。その3条件を踏まえると、フィジカルAI分野はどう評価していますか。
加藤: フィジカルAIは現時点で時期尚早と判断し、当ファンドでは様子見しています。理由は、先ほどの2つ目の条件である「データを使える状態に整備している」を満たしているとは言い難いからです。
フィジカルAIなどの産業機械関連では、あらゆるモノがネットにつながるIoTのセンサーを通じたデータの蓄積がまだ十分とは感じていません。さらに言えばフィジカルAIは開発の初期段階にあり、普及が進むのかの不透明感は依然として強い状況です。
長期目線では有望な分野になり得る一方で、短期的に業績成長へ直結するテーマではないと見ています。
――現時点で3つの投資条件を満たすセクターは?