先鋭化する中国リスク! 急浮上「インド関連」今が仕込み場の特選6銘柄 <株探トップ特集>
―人口世界一の巨大市場に大手から中小企業まで続々進出、経済・安保分野で協力本番へ―
2026年は インドに一段と注目が集まる年となりそうだ。国際通貨基金(IMF)の最新予測によると、同国の名目GDP(国内総生産)は今年、日本を上回り世界第4位に浮上する。29年にはドイツも追い越し第3位へ更にランクアップする見通しだ。人口規模で23年に中国を抜いて世界一となり、豊富な労働力が経済成長を促す人口ボーナス期が続く。中国を巡っては足もとレアアースを含む輸出規制を示唆するなど威圧的な対日措置を次々と繰り出し、なりふり構わぬ姿勢が目立つ。日本としてはチャイナリスクが改めて浮き彫りとなった格好で、今後企業がビジネス拠点を他国へシフトする動きが広がるかもしれない。そうしたなか、高成長が見込めるインドは魅力的な市場といえる。
●みずほFG現地企業買収、住友不はムンバイ1兆円投資
みずほフィナンシャルグループ <8411> [東証P]は昨年12月、インドを代表する投資銀行アベンダス・キャピタルを買収すると発表した。M&A支援で豊富な実績を持つアベンダスを取り込み、現地でのビジネス展開に関心を寄せる日本企業をサポートする狙いがある。時を同じくして三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]は同国のノンバンク大手シュリラム・ファイナンスに出資すると発表。三井住友フィナンシャルグループ <8316> [東証P]も同国の商業銀行大手イエス銀行に昨年出資した。
インド参入は他の業界でも活発化している。半導体業界では昨年に東京エレクトロン <8035> [東証P]がベンガルールに新たな開発拠点を設置、ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]は同国政府とスタートアップ支援などで提携した。24年にはディスコ <6146> [東証P]が現地法人を設立している。製鉄業界ではJFEホールディングス <5411> [東証P]が昨年12月、現地の同業JSWスチールと合弁事業を行うと明らかにした。日本製鉄 <5401> [東証P]は重点地域の一つにインドを位置づけ、経営資源を集中させている。不動産業界では住友不動産 <8830> [東証P]が注力姿勢を示す。最大都市ムンバイに1兆円を投じ、東京に並ぶ一大事業拠点とする目標を掲げる。三菱地所 <8802> [東証P]も同国で複数の案件を手掛けるほか、三井不動産 <8801> [東証P]はベンガルールで新規プロジェクトを進めている。
昨夏にインドのモディ首相が来日し、日印両政府は経済・安全保障の分野で協力することで合意した。主要都市を結ぶ高速鉄道計画への新幹線方式の導入をはじめ、AIや半導体、宇宙など幅広い領域で連携する方針だ。政策的な追い風も吹くなか、株式投資の観点においてインド関連株は中長期で要マークとなる。早くから進出を果たし既に同国経済に根付いているスズキ <7269> [東証P]やホンダ <7267> [東証P]、ヤマハ発動機 <7272> [東証P]、ダイキン工業 <6367> [東証P]、関西ペイント <4613> [東証P]などが中核的な存在だが、関連銘柄はこれ以外にもまだ数多く存在する。投資妙味のある6銘柄をピックアップした。
●高配当利回りや超割安株など
日精エー・エス・ビー機械 <6284> [東証P]はペットボトルやプラスチック容器の成形機メーカー。世界高シェアを握るグローバルニッチトップ企業だ。1978年の設立当初から海外展開を推し進め、現在の売上高は国外向けがほとんど。同社の高い企業競争力の源泉となっているのがインド工場で、97年に同国へ進出して以降、生産能力の増強を着実に図っている。旺盛な需要を取り込み、25年9月期は売上高、営業利益とも2ケタ増で過去最高を達成。26年9月期も成長トレンドを維持する見通しだ。連結配当性向40%をメドとする方針を掲げており株主還元にも手厚い。
巴工業 <6309> [東証P]は遠心分離機メーカーで、化学工業製品の販売も手掛ける。海外ビジネスの拡大に向け、インドに置いていた駐在員事務所を昨年11月に法人化。耐火物向け商材を中心に市場開拓に力を入れる構えだ。25年10月期は営業最高益を達成。化学工業製品部門における三酸化アンチモンについて、同社は中国以外からの供給ルートを有しており、中国による輸出規制の影響で特需が出た点はポイントだ。26年10月期も引き続き成長路線を維持し、配当は7期連続の実質増配を見込む。株価は上場来高値圏で推移するが、配当利回りは4%近辺と依然として高い。
極東開発工業 <7226> [東証P]はゴミ収集車などの特装車大手。20年にインド同業を買収し、足もとは今年度の完成を目指しチェンナイで新工場を建設中だ。継続的に取り組んできた製品価格改定による収益寄与が続き、26年3月期は営業利益が前期比44%増と3期連続で拡大する見通し。純利益ベースでは減益予想だが、これは独占禁止法を巡る公正取引委員会からの課徴金納付命令に伴う費用を計上するため。同社は先月、課徴金の減額を求め取り消し訴訟を提起すると発表した。株価は約35年ぶりの高値圏にあるものの配当利回りは4%を超えている。
フォーカスシステムズ <4662> [東証P]は独立系のシステム開発会社。昨年10月、インド財閥マヒンドラグループのテックマヒンドラとの間でITサービスに関する基本合意書を結んだことを明らかにした。半導体系組み込み分野やDXソリューション分野で相互補完し、日印両市場の顧客へ高付加価値なITサービスを提供する検討を進めるとしており、今後の展開が期待される。業績面では上期に営業2.1倍増益と急拡大。マイナンバー関連など官公庁向け案件の取り込みや、前年同期の低採算案件の反動などが寄与した。26年3月期通期は9期連続増益で過去最高更新を狙う。
明和産業 <8103> [東証P]は三菱系商社中堅。化学品や樹脂製品を主力とし、炭素製品で高いシェアを有する。中国向けに強みを持つことで知られるが、今後の需要拡大が見込まれるインド向けを強化すべく現地法人を先月設立。中国で冷凍機油のサプライチェーンを構築したノウハウを生かし、インドでの事業拡大を目指す構えだ。利益率の高い商材が好調に推移し、上期営業利益は前年同期比45%増の21億6800万円で着地。減益予想の26年3月期通期計画(32億円)に対して7割弱とまずまずの進捗といえる。株価は高値圏ながら配当利回り4%前後は魅力的だ。
ミクニ <7247> [東証S]は二輪・四輪用の燃料噴射器メーカー。前述のスズキ、ヤマハ発を主要顧客に持つ。同社は日本から欧米、アジアまでグローバルに展開しているが、なかでもインド事業は同社の収益を支える重要な一角を占めている。インド事業の堅調に加え、新モデル投入による販売増やコスト低減、取引価格の適正化が寄与し、上期は営業63%増益を達成。一方、26年3月期通期の減益予想は依然据え置いているが、これは下期の米関税影響を精査中のため。安定配当方針で足もと利回りは3%台後半。他方でPBRは0.3倍台であり割安感が際立つ。
株探ニュース