石金淳氏【止まらないSaaS株安、エヌビディア決算後の展望は?】 <相場観特集>
―米トランプ関税で急展開、プライベートクレジット巡る懸念材料も―
連休明け24日の日経平均株価は前週末比495円高と頑強ぶりを発揮したものの、米国と同様にSaaS関連株への売りが止まらず、金融株は下値を探る展開となった。今週は米国時間25日にエヌビディア<NVDA>の決算発表が予定されている。果たしてエヌビディア決算は相場の転機となるのだろうか。今後の株式市場の展望について、三菱UFJアセットマネジメント・エグゼクティブファンドマネジャーの石金淳氏に話を聞いた。
●「エヌビディア決算に過度な期待は困難」
石金淳氏(三菱UFJアセットマネジメント エグゼクティブファンドマネジャー)
AI関連について、ソフトウェア系企業の業務を奪うという負の側面にスポットライトが当たるようになった。この点について過去に指摘されることが全くなかったという訳ではない。米国株が一本調子に上昇し、物色の手詰まり感が強まったなかで、需給調整の「大義名分」としてこうした面が強調されるようになったとみるべきだ。需給調整となれば短期間で収束することは見込みにくい。25日に決算を発表するエヌビディアの株価は直近でレンジ圏内の動きとなっており、出来高を踏まえると上昇エネルギーが蓄積しているとみることは難しい。AIデータセンターの導入拡大には電力や水資源の問題が障壁として横たわる。同社株の決算発表後の好反応に過度な期待がしにくい状況だ。
米国では、国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠とする相互関税やフェンタニル関税について連邦最高裁が違憲との判断を下した後、通商法122条による150日間の関税が発動されることとなった。関税政策の「筋道」が分かりにくくなったという不確実性の存在を踏まえると、今回のトランプ関税の動きについてはプラスマイナスゼロの印象だ。とはいえナスダック100指数はダブルトップの形成が視界に入り、プライベートクレジットファンドの問題で金融株に調整圧力が掛かっている。米国株の大崩れは想定していないものの、当面上値の重い展開が続きそうだ。
日本国内では衆院選で自民党が大勝し政権基盤は安定化することになったが、株式相場の過熱感は否めず、米国株と同様に需給調整に入る可能性が高い。食品消費税の2年間ゼロの検討が注目を集める半面、高市政権による内需喚起に向けた具体的な政策メニューに関しては、インパクトの乏しさが否めない。インフラ投資による内需拡大と日本の成長率上昇というシナリオの現実性に疑問符が付くようになると、期待先行で上昇した日本株は修正を余儀なくされるだろう。5万円台にある日経平均は1日で1000円単位の動きをみせることがある。この先1ヵ月間は5万5000円を中心に、レンジとしては5万1000~5万9000円を想定している。高市政権が掲げる重点投資対象の17分野に関連する銘柄群に対して注目度の高まった状態が続くとみられ、インフラ投資の恩恵を受ける建設や電力設備関連、防衛や造船関連向けに部品を供給する銘柄群、安全保障の観点で重要視される医薬品株などが選好される局面が継続するに違いない。
(聞き手・長田善行)
<プロフィール>(いしがね・きよし)
1988年慶応義塾大学卒業、ユニバーサル証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)入社。2000年にパートナーズ投信(現三菱UFJアセットマネジメント)転籍。16年12月チーフファンドマネジャー。25年4月より現職。
株探ニュース