グリアUSTR代表 トランプ大統領は15%に引き上げへ 適切な場合に
トランプ大統領は数日以内に、世界共通関税を“適切な場合”には15%に引き上げる大統領令に署名する見通しで、貿易協定を締結した国々との継続性を確保したい考えだと、米通商代表部(USTR)のグリア代表が明らかにした。
グリア代表はブルームバーグのインタビューで「現在は10%が適用されているが、適切な場合には15%へ引き上げる布告が出される」と述べた。
最高裁がいわゆる相互関税」を無効とした後、トランプ大統領が税率を15%へ引き上げると表明したことで米国の貿易相手国に混乱が広がる中、グリア代表は政権の対応方針を説明。
前日に世界一律10%の関税が発効したが、その後24時間で、主要貿易相手国との合意を尊重しつつどのように15%へ引き上げるのかについて、詳細はほとんど示されていなかった。
15%への引き上げがEUとの合意に違反しないか問われるとグリア代表は「他国との関係にどう適合させるかについて後ほど説明する」と述べた。
貿易協定を結ぶ一部経済圏については、累積関税率がより高くなるわけではないと繰り返し示唆しており、EUや英国などにとっては前向きなシグナルとなる可能性がある。
「この1年で構築してきた政策を再現し、合意を尊重しつつ執行手段も確保できる体制を整えるのが目的だ」とも語っていた。
また、最高裁の判断を受け、既存の合意を維持しながらトランプ関税体制を再構築するには数カ月かかる可能性があるという。大統領は1974年通商法122条に基づき、議会承認なしで最大150日間、基礎関税を課すことができる。政権はその間に、他の権限に基づく通商調査を進める計画で、特定の国や産業に対するより恒久的な関税を導入し、世界一律関税に代える可能性がある。
また、対中関税については、品目に応じて35-50%の範囲を維持する考えを示した。トランプ大統領は3月下旬から4月初旬に中国で習近平国家主席と会談し、両国間の関税休戦延長について協議する見通し。
グリア代表は「その水準は維持されると見込んでいる。それ以上のエスカレートは意図していない。従来の合意を堅持する考えだ」と述べた。
さらに、北米貿易協定(USMCA)を巡る協議が継続していることを明らかにし、トランプ大統領が第1次政権で交渉した同協定への不満を改めて強調。メキシコによる米エネルギー企業への対応、カナダの乳製品規制や米国産酒類のボイコット、両国経由の迂回輸出リスクなどを問題視している。ただし、協定の全面的な見直しではなく、両国との追加議定書を目指す協議であることを示唆した。
「カナダとメキシコとは関係性が大きく異なるため、別々に交渉している。今後1年かけて協議を続けるだろう。USMCAにカナダ・メキシコ向けの別個の議定書を付け加え、いくつかの隙間を修正することになるかもしれない」と述べた。
また、トランプ大統領が協定離脱を私的に検討しているとの報道については、「秘密ではない」と認めつつも、その重要性を軽視。「大統領は今年、USMCAの成果に懸念を示しており、この協定を形式的に承認するだけでは不十分だと考えている」と語った。
株探ニュース