メルツ独首相が初の訪中 戦略的パートナーシップ構築に前向きな姿勢
ドイツのメルツ首相が25日、昨年5月の就任後初となる中国訪問で習近平国家主席と会談した。かつて対中強硬派の急先鋒として知られた首相が、地政学的な相違を認めつつも「戦略的パートナーシップ」構築に前向きな姿勢を示したことは、ドイツ外交の大きな転換を印象づけている。
北京での会談でメルツ首相は、両国間に多くの意見の相違があることを認めつつ、「対話と忍耐」を通じて協力分野を模索する考えを表明した。これに応える形で習主席は、エアバスの民間機120機という大規模な新規発注を伝達。一方、メルツ首相は中国側に対し、拡大し続ける貿易不均衡の是正を強く求めた。
首相就任前、メルツ首相は企業に対し中国への過度な依存を戒め、危機時にも政府は救済しないと明言するほど厳しい姿勢を見せていた。しかし現在は、李強首相との会談でも関係の維持と深化を掲げ、経済成長に向けた協力を優先させている。
もっとも、二国間関係が全面的に改善したわけではない。ロシアによるウクライナ侵攻や南シナ海での緊張を巡る溝は依然として深く、政府当局者からは「新たな独中の春ではない」との慎重な声も上がっている。
また、国内の警戒感も根強く、クリングバイル財務相は安価な中国製グリーンスチールを例に挙げ、「ルールを尊重しない国に対して、こちらだけが市場を開放し続けるべきではない」と不公正な競争を痛烈に批判した。
メルツ外交は、経済的実利と安全保障、そして不安定な米欧関係の狭間で、極めて難しいバランスを迫られている。
株探ニュース