イラン攻撃に動揺するロシア、ウクライナ戦争には有利に働くと期待感
米国とイスラエルによるイラン攻撃を受け、ロシアは動揺しているものの、イランを実質的に支援する力は乏しいと見られている。一方でロシアは、中東情勢の緊迫化がウクライナ戦争において自国に有利に働く可能性があると期待している。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。
ペルシャ湾岸諸国で防空ミサイル需要が高まれば、ウクライナ向け供給が減少しかねず、戦争が長期化すれば米国の対ウクライナ兵器支援も鈍る恐れがあるためだという。
プーチン大統領はハメネイ師の殺害を国際法違反と非難しつつも、イスラエルやトランプ大統領を名指しで批判はしなかった。湾岸諸国首脳と電話会談し停戦を呼び掛けたが、実際に行使できる影響力は限定的だ。
ロシアは近年、シリアやベネズエラなど同調国の弱体化に直面し、周辺の旧ソ連諸国も米国や中国など他の大国との関係強化を進めるなど、影響力低下が続いている。
ウクライナでは戦線が膠着し、ロシアは冬季にエネルギー施設へのミサイル・ドローン攻撃を強化。ゼレンスキー大統領は防空ミサイルの追加供与を繰り返し訴え、中東戦争の長期化が自国への兵器供給に影響すると警告している。
一方、エネルギー価格の上昇はロシアにとって追い風となる可能性がある。原油価格は一時大幅に下落していたが、ブレント原油が85ドルを超え、ロシア産原油のディスカウントも縮小。歳入増加が戦費調達を支えるとの見方が出ている。ただし、専門家からは価格高騰は一時的との可能性も指摘されており、ロシア石油企業の基礎体力は依然として強くないとの見方も出ている。
ロシアはイランと戦略協定を結んでいるものの相互防衛条項はなく、実質支援には踏み込んでいない。プーチン大統領は事前に一定の情報を得ていた可能性もあり、強い関与を避けていたとの見方もあるという。
株探ニュース