伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 3月22日版
日経平均の5万1407円割れは、5万9332円が天井であることを示唆
1. 前回紹介の下値目標値が通過点になる公算も
日経平均株価の2月26日から3月9日までの下げ幅は7925円です。この下げ幅は、昨年4月から本年2月までの上昇場面で最も値幅の大きな下げとなった昨年11月4日から19日の下げ幅(4401円幅)を、大きく上回る値幅となっています。
終値から25日移動平均値を引いた乖離線(以下、25日乖離線)は、これまで到達することのなかった4000円を超えた後、上値を抑えられる格好になっています。25日乖離線の動きは、上昇過程で買いエネルギーを出し尽くして、反転下降していることを示唆しています。
下げ幅の大きさや25日乖離線の動きからは、2月26日以降の下げが上昇過程での一時的な調整ではなく、昨年4月から本年2月までの上昇幅全体を修正する動きへ入っているという見方が有力になります。
前回の本コラムでは、現在の下げは昨年4月からの上げ幅全体の38.2%押しとなる4万8430円、2024年7月から2025年4月までの下げ幅と同程度の値幅になる地点4万7698円が下値の目安になると述べました。この4万8430円、4万7698円という下値目標値で下げが止まるという見方は、2008年10月28日安値の6994円から始まっている大勢の上昇局面を現在も継続していることが前提となっています。
しかし、2026年2月26日以降の下げ方だけで見ると、今後5万9332円を超えられずに下降を開始して4万8430円、4万7698円まで下げる場合、これらの値位置でピタリと止まる展開は考えにくい状態です。
3月9日~11日までの反発幅が大きくなり過ぎたため、目先の価格が9日安値の5万1407円を割れると、4万7069円(後述)を大きく下回る地点まで下げるという見方が有力になります。
目先の価格が5万1407円を割れると、2月26日以降の下げははっきりとした下降の流れ(5つの波のパターン)を形成する可能性が出てきます。その場合、3月4日までの下げが1波、その後のジグザグの動きが2波となります。
目先、5万1407円を割れて3波目の下げへ入ったことを示すと、その下げは3波の目標値となる地点を目指す展開になると考えられます。3波の目標値は、2波の変動幅の最大値(3月9日安値の5万1407円から11日高値の5万5745円までの上げ幅4338円幅)を、1波の終点5万1407円から引いた地点4万7069円を大きく下回る地点になります。
目先が5万1407円を割れて4万8430円、4万7698円まで下げる場合、2月26日以降が5つの波のパターンを形成する下げ場面へ入っている可能性が大きくなります。そうなると、4万7069円を大きく下回る地点まで下げるという見方が有力になるので4万8430円、4万7698円の地点は通過点になってしまいます。
値動きを予測する際は、一定の流れができている場合、その流れが作る目標値の方が過去の値動きを参考にして得られる目標値よりも優先順位が高くなります。目先、5万1407円を割れて一段安となる場合、その下値の目安としては、まず4万7069円を大きく下回る場所を考えておく必要があります。
つまり、目先、5万1407円を割れる動きは、2月26日の高値が2008年10月以降の上昇局面の天井であることを示すサインになります。
2008年10月(6994円)から2026年2月(5万9332円)までの上げ幅(5万2338円幅)全体の38.2%押しとなる地点は3万9339円、50%押しとなる地点は3万3163円です。5万1407円を割れる動きは、年内に4万円以下へ下げる可能性を示唆する動きと見ることができます。