プライベートクレジット、2008年の金融危機との比較は誇張され過ぎ
最新の報道でプライベートクレジット市場にひびが入りつつあるとの懸念が広がり、2008年の金融危機との比較も出ているが、多くの市場関係者はその懸念は誇張されているとの見方が出ている。米CNBCが伝えた。一部からは「これはシステミックリスクではない。2008年との単純比較は適切ではない」との指摘も聞かれる。
プライベートクレジット市場は金融危機後に拡大し、2025年前半には世界で1.8兆ドル規模となり、金融危機当時の約2500億ドルから大きく伸びた背景には、銀行の貸出規制強化による中堅企業向け融資の縮小がある。
ただし、昨年末には自動車部品メーカーのファースト・ブランズやサブプライム自動車ローン会社のトリカラーの破綻を受け、不正や脆弱性への懸念が急浮上。JPモルガン<JPM>のダイモンCEOは「問題は1つでは済まない可能性がある」と警告していた。
さらに最近では、AIによる影響を受けやすい企業向けソフトウエア分野へのエクスポージャーが大きいオルタナティブ資産運用会社の株価が下落し、アポロ・グローバル<APO>、アレス・マネジメント<ARES>、ブルー・アウル<OWL>などは投資家の解約制限に動いている。
一方、現在は当時と異なる点も多い。プライベートクレジットの投資家は年金や基金、政府系ファンドなど長期資金が中心で、銀行預金のような取り付けリスクは低く、また規模も米GDPの5%未満と不動産や株式に比べて小さい。
さらに大半は投資適格の案件で、高リスクのハイイールドは一部に限られ、「注目されている高利回り部分は市場のごく一部に過ぎない」との指摘も出ている。ただし、信用環境の正常化に伴い、引き受け基準の甘さなどが露呈し、ストレスは増す可能性はある。
とはいえ、「金融危機を経験した人材がいまも市場におり、慎重に管理している。2008年のような金融危機の再来にはならない」との見方も出ているようだ。
株探ニュース