米30年債利回り、約19年ぶりの高水準に上昇 一時5.18%台
米国債利回り(NY時間10:09)(日本時間23:09)
米2年債 4.101(+0.058)
米10年債 4.651(+0.064)
米30年債 5.173(+0.050)
期待インフレ率 2.499(+0.008)
※期待インフレ率は10年債で算出
米国債市場で米30年債利回りが約19年ぶりの高水準に上昇。インフレ再加速懸念を背景に、投資家による債券売りが続き、利回りは上昇。30年国債が一時5.18%台まで上昇し、2007年7月以来、約19年ぶり高水準へ上昇している。
住宅ローン、自動車ローン、クレジットカード金利などの基準となる10年債利回りは一時4.66%台まで上昇。こちらは2025年1月以来の高水準。FRBの政策金利の動向に敏感な2年債利回りは4.10%となっている。
先週発表された一連のインフレ指標では、イラン紛争を背景とした原油高の影響が確認された。これを受け、債券投資家の心理が悪化し、市場では「FRBの次の一手は利下げではなく利上げになる」との見方が広まっている。
エコノミストは「世界の債券市場では、高エネルギー価格によるインフレ加速に加え、財政赤字拡大や、英国特有の政治不安が市場心理を左右している」と指摘。「仮に中東問題で何らかの合意が成立しても、原油価格は紛争前の水準には戻らないだろう」と述べた。さらに、「6カ月後には原油価格は現在より25-30%高い水準になるとみている」とも説明した。
同エコノミストは、巨額の財政赤字問題についても言及。「各国政府は家計向け燃料補助金を実施せざるを得なくなる。その結果、国債発行が増加し、超長期ゾーンに圧力がかかる」と述べている。
一方、「市場は現在利上げを織り込んでいるが、それは正当化されない」とも指摘。「インフレ上昇と同時に景気減速も進む可能性が高い」と説明した。スタグフレーション。
この日公表の米大手銀の調査では、世界のファンドマネジャーの62%が、米30年債利回りは6%へ上昇すると予想していることが分かった。これは1999年末以来の高水準に相当し、現在水準から約0.85%上昇する計算となる。一方、30年債利回りが4%へ低下すると見る回答は20%に留まった。
米国債利回りの急上昇は、米消費者への打撃や、株式市場の強気相場を揺るがすリスクとなっている。実際、米株式市場は最近、金利急騰を背景に圧迫されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース