弱気相場入りを示唆する警告サインが増加 投資家は慎重姿勢を取るべき
米大手銀のストラテジストは、弱気相場入りを示唆する警告サインが増えており、米国株の投資家は慎重姿勢を取るべきだとの見方を示した。「警戒すべき赤信号が多過ぎる。利益確定を検討すべきだ」と述べている。
ストラテジストによると、過去の市場天井局面で確認された弱気相場シグナルのうち約70%がすでに点灯しており、これは過去のピーク時の平均水準とほぼ一致しているという。また、S&P500について、20の評価指標のうち17で統計的に割高で、8つの指標ではITバブル期を上回る割高水準にあると分析している。
*点灯している警戒シグナル
・消費者信頼感
・景気成長期待
・M&A活動指標
・信用ストレス指標
・金融引き締め状況
特にFRBの銀行融資担当者調査(SLOOS)では、5月時点で消費者需要の鈍化が続いていることが示された。さらに、株価収益率(PER)の高い銘柄群が低PER銘柄群を大幅にアウトパフォームしていることについて、「過度な投機の兆候」と指摘している。
*IT・ハイテク株への警戒
IT・ハイテク株内部では銘柄間の格差が急拡大しているという。最も好調な銘柄群と最も低調な銘柄群のパフォーマンス格差は2000年2月のITバブル期以来の大きさとなっている。
また、S&P500全体は堅調に見えるものの、指数の強さが内部の異常な状況を覆い隠しているとも指摘。過去3カ月間では、上位10%の銘柄群と下位10%の銘柄群
のリターン格差がコロナ後で最大となっているという。
*AI投資拡大による懸念
IT・ハイテク企業の財務基盤そのものは依然として健全で、負債水準、バリュエーション、資本効率などは比較的良好だという。しかし、昨年11月時点と比較すると悪化している項目も多い。
具体的には、
・キャッシュフロー転換率が横ばい
・投資適格債発行が増加
・株式発行が増加
・時価総額に対する自社株買い比率が低下
・ハイパースケーラーの設備投資が急増
などが挙げられている。
特に設備投資額は2023年の営業キャッシュフロー比40%から、2026年末には100%近くまで上昇する見通しだという。
*極端な値動きは不安定化の兆候
ストラテジストは、極端な株価上昇は市場の不安定化が進んでいる兆候かもしれないと警告。もっとも全面的な悲観論ではなく、S&P500企業には投資機会があるが、時価総額加重型の指数全体には魅力は感じないと述べている。
年末時点のS&P500の目標は7100ポイントで、現行水準を下回り、指数全体では調整余地があるとの見方も示した。
株探ニュース