フォード、決算を受け上昇 今年2回目の上方修正 収益力の高まりを示す=米国株個別
(NY時間09:41)(日本時間22:41)
フォード<F> 15.56(+0.60 +4.01%)
フォード<F>が上昇。前日引け後に4-6月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。通期ガイダンスも公表し、EBITとフリーキャッシュフロー(FCF)の見通しを上方修正している。上方修正は今年2回目。
車両価格の上昇に加え、高収益のスポーツ用多目的車(SUV)の販売が好調だったことが寄与した。通期見通しの引き上げは、利益率の高いSUVやピックアップへの底堅い需要を背景に収益力が高まっていることを示している。
第2四半期の米国販売台数は10%減少したものの、高価格帯のオフロード仕様を含む「ブロンコ」や「エクスプローラー」など利益率の高いSUVの販売が好調で、減収の影響を補った。一方、主力車種「Fシリーズ」ピックアップトラックは、車体用アルミ材を供給するニューヨーク州ノベリス工場で昨年発生した火災の影響で供給が制約されていた。同工場は第2四半期に操業を再開しており、下期に減産分を取り戻す計画。
火災によって失われたFシリーズの生産は約25億ドル分を回復できる見通しで、従来の最大30億ドルという予想レンジの下限に相当。ハウスCFOは、今年見込む10億ドル超の関税コストの大半は、ノベリス工場の火災を受けて米国外からアルミニウムを調達したことによるものだと説明した。
ファーリーCEOは声明で「フォードがより収益性が高く、規律ある、そして真に差別化された企業へと変わりつつあることを示す証拠が増えている」と述べた。
また、蓄電池事業への参入も市場の注目を集めている。具体的なアップデートはなかったが、ハウスCFOは「発電事業者やデータセンターを含め、多くの潜在顧客から引き合いを受けている」と述べていた。一方、この新事業の利益が業績に反映されるのは2028年以降になるとの見通しも示している。中国の電池大手CATLと、EV用と蓄電池用の双方の電池を生産するライセンス契約を結んでいる。
アナリストは「今回の見通し引き上げは質の高い内容で、アルミニウム供給の改善とFシリーズの生産加速を反映している」と評価。また、「業界環境は2027-2028年にかけて改善が見込まれるほか、フォードの蓄電池事業への取り組みに対する最近の市場のポジティブな反応は、自動車業界が利益率の高い新たな収益源を拡大できる可能性を示している」と指摘している。
一方、別のアナリストは「通期見通しは依然として保守的と見ている。同社の想定を踏まえると、業績は会社計画の上限を上回る余地がある」との見方を示した。
(4-6月・第2四半期)
・1株利益(調整後):0.42ドル(予想:0.36ドル)
・売上高:483.0億ドル 3.8%減(予想:460.4億ドル)
フォード・ブルー:261.0億ドル(予想:256.8億ドル)
フォード・モデルe:10.0億ドル(予想:13.1億ドル)
フォード・プロ:178.0億ドル(予想:177.3億ドル)
・EBIT(調整後):25.0億ドル(予想:21.5億ドル)
フォード・ブルー:11.4億ドル(予想:7.93億ドル)
フォード・モデルe:9.19億ドルの赤字(予想:10.9億ドルの赤字)
フォード・プロ:17.2億ドル
(通期見通し)
・EBIT(調整後):100~110億ドル(従来:85~105億ドル)(予想:94.6億ドル)
フォード・プロ:70~75億ドル(従来:65~75億ドル)
フォード・ブルー:50~55億ドル(従来:45~50億ドル)
フォード・モデルe:約40億ドルの赤字(従来:40~45億ドルの赤字)
・FCF(調整後):60~70億ドル(従来:50~60億ドル)
・設備投資:95~105億ドル維持(予想:98.1億ドル)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース