ホンダ、米国での新工場建設検討 EV推進を転換し手頃な価格のHV強化へ
ホンダ<7267>は、2030年以降にハイブリッド車(HV)のラインアップを拡大する計画の一環として、米国での新工場建設を検討している。ホンダの貝原副社長がワシントンでの会見で明らかにした。貝原副社長は顧客のニーズに応えるためには、生産能力の増強が不可欠だとした上で、「次の生産拠点は北米内に設置されるべきだ」と述べた。
この動きは、今年初めに同社が米国向けに予定していた電気自動車(EV)3車種の開発を中止した戦略転換に沿ったもの。同社は30年3月までに15車種の新型HVを投入する計画で、その主なターゲットは北米市場となる。
EV化を推進してきた従来の戦略を方針転換した結果、ホンダは1948年の創業以来初めて通期での赤字を計上。現在、HVと従来の内燃機関を優先する方針を掲げている。
ホンダは「アコード」のような燃費効率が高く、米国の消費者のニーズにきめ細かく応えた車で支持を得てきたが、近年は同市場でかつての勝ちパターンを再現することに苦しんでいる。ただ、同社の3車種のHVは、ガソリン価格に敏感な米国の消費者から好評を博している。
上半期の米国販売台数は、ベストセラーであるSUV「CR-V」、中型セダン「アコード」、コンパクトセダン「シビック」などのHVへの堅調な需要に支えられ、2.4%増加した。6月の総販売台数の約3分の1をHVが占めた一方、まもなく生産終了となるEV「プロローグ」の納車台数は40%減少した。
貝原氏はHVを強化するホンダの戦略について、「より効率的で手頃な価格のモビリティを求める顧客のニーズに焦点を当てている」ものだと指摘。ホンダのHVは現在、大幅な値引きや低金利ローンに頼らず販売できているとした。
米国による輸入関税への対応などもあり、ホンダが米国に8つ目の工場を建設する可能性が高まっているのかと問われると、貝原副社長は「ある意味、そう言えるだろう」と述べたが、まだ決定は下されていないと強調した。
米国とカナダ、メキシコとの貿易関係は、トランプ政権による輸入品への関税措置や、7月の米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の更新を見送る決定などにより、複雑な状況にある。また、トランプ大統領は24日、カナダ製の自動車や自動車部品に来年1月一日以降50%の関税を課す方針を示した。
同社は新工場で何を生産するかについては明らかにしていないが、貝原副社長は、同社が米国でのハイブリッドパワートレインの生産をさらに現地化する計画であることを明らかにした。
株探ニュース