FRBの中核データベース「NIC」、先月システム障害が発生 銀行監督に活用
FRBが銀行監督に活用する中核データベース「ナショナル・インフォメーション・センター(NIC)」において、先月一時的なシステム障害が発生していたことが判明した。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。
FRBが進める銀行監督部門の規制緩和や大幅な人員削減がシステムの維持管理に悪影響を及ぼした可能性を巡り、民主党の上院議員らから強い懸念の声が上がっている。
FRBの広報担当者は、8月5日にNICの一部でシステム障害が発生し、一般向けウェブサイトが一時的に影響を受けた事実を認めた。当局側は「重要な機能は稼働を継続していた」と説明し、重大な不具合であったことを否定している。
しかし、事情に詳しい関係者の証言によると、障害の波及範囲は外部サイトに留まらず、内部システムにまで及んでいたとされる。
障害発生時に職員へ送信された内部メールでは、NICの重要なデータ処理が機能しておらず、FRBの複数の業務分野に重大な影響が波及していると明記されていた。
影響を受けた業務の中には、金融危機などの緊急時に銀行へ直接資金を供給する極めて重要な枠組みである「連銀貸出制度(ディスカウント・ウィンドウ)」も含まれていたという。
NICはFRBが主導して管理し、米連邦預金保険公社(FDIC)や米通貨監督庁(OCC)などの各金融規制当局が銀行に関する公開・非公開情報を追跡・共有するための共通基盤である。今回の障害が発生した根本的な原因については、現時点でも明らかになっていない。
この事態を受け、上院銀行委員会で民主党トップを務めるウォーレン議員は、FRBのボウマン副議長(銀行監督担当)へ書簡を提出。ボウマン副議長はトランプ大統領に銀行監督担当トップに任命されて以降、金融規制の緩和を推進するとともに、規制担当職員を約30%削減してきた経緯がある。ウォーレン議員は書簡の中で、一連の人員削減がNICの維持管理体制に支障をきたした可能性を指摘した。
さらに同議員はFRB、FDIC、OCCの金融当局トップらに対しても書簡を送り、「連邦規制当局における銀行検査官の削減は、新たなリスクを発見し迅速に対処する能力を低下させる」と強調。規制緩和と人件費削減がもたらす金融監視網の空洞化に対し、強い警戒感を示した。
株探ニュース