最高値更新の影で進む歪み 金利高の圧力と4社頼みの綱渡り相場
米株式市場では、AI革命を支えるエヌビディア<NVDA>をはじめとする巨大ハイテク企業が相場をけん引し、S&P500やナスダックが過去最高値を更新してきた。しかし、その裏では米10年債利回りが約24年ぶりの高水準へ上昇しており、株価のバリュエーションに対する強烈な押し下げ圧力となっている。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が論じた。
金利上昇は「無リスク金利」の水準を引き上げ、株式などのリスク資産の相対的な魅力を低下させる。S&P500の予想ベースの株価収益率(PER)は年初の22.2倍から19.3倍程度まで低下。8月半ば以降、同指数を構成する25業種のうち18業種が下落し、中小型株や銀行、不動産など負債依存度の高い業種を中心に幅広く売られる展開が続く。
ダウ平均も下落傾向にあり、相場の上昇は実質的にマイクロソフト<MSFT>、エヌビディア<NVDA>、アップル<AAPL>、メタ<META>のわずか4社など、一部の超大型IT・ハイテク株に極端に依存した歪んだ構造を強めている。
市場が金利上昇という明確な逆風に耐えて最高値圏を維持できた背景には、巨大IT企業を中心とする市場予想を上回る好調な企業業績と見通しがある。借り入れコストの増大が株式バリュエーションを圧迫する中、相場の維持には利益成長の裏付けが不可欠。
来週から本格化する決算発表シーズンを前に、投資家が企業に求めるハードルは一段と高まっている。市場関係者の間では、一向に収まらない金利上昇圧力と特定銘柄への集中リスクを警戒し、一直線の上昇相場からの転換や現金比率の引き上げを意識する声も広がりつつある。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
株探ニュース