AIブームの波及効果、思わぬ不動産市場に及ぶ IOSの需要急増
AIブームの波及効果が、思わぬ不動産市場に及んでいる。データセンターの建設ラッシュに伴い、資材や大型車両を一時保管する「産業用屋外保管施設(IOS)」の需要が急増。供給不足と高利回りを背景に、ウォール街の大手投資マネーが相次いで流入している。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。
物流データ会社によると、1ギガワット規模のデータセンター建設にはトラック約10万台分の資材輸送を要する。現場周辺のIOSは不可欠だが、騒音や景観問題を理由に自治体の新規許認可は極めて厳しい。需給のひっ迫を受け、米国のIOS賃料は2021年以降で32%上昇。データセンター集積地や主要港湾周辺では、2020年以降の上り幅が100%を超える地域も散見される。さらに既存の保管用地がデータセンター自体へ転用される事例も相次ぎ、供給不足に拍車をかけている。
極端な需給不均衡に着目したのが機関投資家だ。ブルックフィールドによる関連会社の買収(12億ドル規模)や、JPモルガン<JPM>、ブラックストーン<BX>などの積極的な融資・投資が表面化。1件あたりの規模が小さいIOSを専門事業者が集約して大型ポートフォリオを構築し、大手資金を呼び込む構造が定着しつつある。
データセンター開発において保管施設の賃料が全体の総コストに占める割合は小さく、借り手側の価格許容度は高い。投資家は、米国内の買収対象市場を約3000億ドル規模と試算。金利高などの制約要因はあるものの、所有者の高齢化による事業売却も見込まれ、オフィスや住宅を上回る成長分野として強い視線が注がれている。
株探ニュース