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【市況】国内株式市場見通し:欧米市場の落ち着きも国内政治リスクが重石になるか

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

先週の日経平均は上昇。週末には一時21800円を超えて、抵抗線となる25日線を捉える局面もみられた。週初はトランプ米大統領による保護主義政策への警戒感から売り優勢の相場展開となるなか、一時20937.26円まで下げ幅を広げており、VIXショックで下落した2月半ばに付けた安値を下回る局面もみられた。ただし、ダブル・ボトム形成や200日線での支持線が意識されるなか、その後は底堅さが意識され、次第に出直り基調に向かっている。ただし、週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることもあり、積極的な売買は手控え、先物主導のインデックス売買に振らされる相場展開が続いた。週半ばにはコーン米国家経済会議委員長が辞任する意向と各メディアが伝え、円相場は1ドル105円台半ばへと円高に振れて推移、その翌日にはロス商務長官が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し次第で関税措置の適用除外の可能性に言及するなど、通商問題に絡んだ報道等に振らされる状況。週末には注目されていたトランプ米大統領による関税計画の詳細発表では、カナダとメキシコへの関税適用を除外し、他の同盟国にも交渉余地を残すことが明らかとなった。既に報道されていたことではあるが、一先ず貿易戦争への警戒感が和らいだ。

さらに北朝鮮の金正恩委員長はトランプ米大統領に早期の会談を要請し、トランプ大統領は5月までに会談すると応じたと報じられたことを受けて急動意をみせ、一時21884.45円まで上げ幅を拡大させる。ただ、その後先物主導で急速に値を消す流れから21400円を割り込む場面もあり、値動きの荒い展開となった。日銀は金融政策決定会合で短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする量的・質的金融緩和の維持を賛成多数で決めた。これ自体はサプライズはなし。

今週は米雇用統計の結果を受けた海外市場の動向に振らされる格好となろうが、2月の米雇用統計は、賃金増が抑制されながらも経済が好調を維持したことが示され、利上げペースを加速させるとの懸念が和らいだことが好感され、NYダウは440ドル高となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比345円高となり、週明けの日本株市場もこの流れを引き継ぐ格好から、買い先行の展開が期待される。また、トランプ米大統領による関税計画の影響は見極めが必要だが、カナダとメキシコに加え、オーストラリアも適用除外とする考えを、ツイッターで明らかにした。強くて軽い高品質の鉄鋼製品など、課税すると米製造業にとってマイナスとなる特殊な製品についても除外する方針と伝えられており、過度な警戒感は後退しそうである。

そのため、米雇用統計が通過しVIX指数も低位安定のなか、市場は落ち着きをみせてくるだろう。地政学リスクについても、5月までは小康状態といったところである。一方で、森友学園への国有地売却をめぐり、財務省近畿財務局の担当部署で対応に当たった男性職員が自殺したほか、佐川国税庁長官の辞任により、国内政治不安が高まる状況には注意が必要であろう。その他、破産した仮想通貨交換業者、マウントゴックスの破産財団は2000億円相当の仮想通貨を管理しており、これを放出すると報じられている。本来は関係ないであろうが、個人主体の売買が大きい仮想通貨の売却影響が株式市場へも波及しているとの見方もされよう。

今週は14日にドイツのメルケル首相が4期目の就任宣誓を行う。欧州も落ち着きをみせてくるとみられるなか、日本は国内の政治リスクを警戒する必要から、積極的には動きづらそうだ。SQが通過し市場は期末モードにも入る。機関投資家の積極的な売買は引き続き手控えられ、先物主導によるインデックス売買が中心になりそうだ。個人主体の売買としては配当・優待志向の物色に向かいやすいだろう。

その他、主な経済スケジュールでは、12日に1-3月期の法人企業景気予測調査、13日に2月の米消費者物価指数、14日に1月の機械受注、2月の中国の小売売上高、工業生産、固定資産投資、2月の米小売売上高、16日に2月の米鉱工業生産、住宅着工件数が発表される。また、18日にはロシア大統領選挙が実施される。

《FA》

 提供:フィスコ

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