【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:安永、平田機工、新日鉄住金
安永 <日足> 「株探」多機能チャートより
18日、安永 <7271> が18年3月期の連結経常利益を従来予想の12.5億円→16.5億円に32.0%上方修正。増益率が11.1%増→46.7%増に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。前期業績の上方修正は2月に続き、3回目。各事業の売上が堅調に推移するなか、機械装置事業で商品構成が良化したことが利益を押し上げた。業績上振れに伴い、前期の年間配当を従来計画の12円→16円(前の期は11円)に大幅増額修正したことも支援材料となった。
■ミズノ <8022> 3,600円 +355 円 (+10.9%) 11:30現在 東証1部 上昇率3位
18日、美津濃 <8022> が18年3月期の連結経常利益を従来予想の55億円→77億円に40.0%上方修正。増益率が3.6倍→5.0倍に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。ランニングシューズの販売が伸び悩み、売上は計画を下回ったものの、生産・仕入コストの低減や在庫の適正化が想定より進んだうえ、ゴルフ事業や競技スポーツ品販売事業の業績が伸長したことで利益は上振れした。
■平田機工 <6258> 10,220円 +820 円 (+8.7%) 11:30現在 東証1部 上昇率7位
平田機工<6258>が急伸。18日取引終了後、自動車関連生産設備事業で欧州の完成車メーカーからEV(電気自動車)関連の生産設備を受注したと発表したことが買い材料視されている。今回受注した案件は、EVのバッテリーをパッケージングする設備で、同社はEV関連設備の受注実績を積み増しただけでなく、欧州市場の開拓にも成功したことになる。なお、受注額は20億円を超える規模となり、19年3月期の業績に寄与する予定。
■アエリア <3758> 1,534円 +100 円 (+7.0%) 11:30現在
アエリア<3758>が前場終盤に急動意。午前11時ごろ、連結子会社ファーストペンギンが、新規事業として決済代行サービスに参入すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。4月19日からテスト運用を開始しているグローバルスタンダードの決済代行サービス「AquaGates(アクアゲイツ)」を5月中旬から本格稼働するという。同サービスは、法人はもちろん、教室サービスや美容サロンをはじめ、近年増加傾向にある個人の副業・兼業・フリーランスの活動まで幅広い領域のサービス展開を支援するほか、越境ECやCtoCなど、従来のサービスでは審査判断がしづらい商材に対する独自の審査基準を持ってサービスを提供するとしている。
■大平洋金属 <5541> 3,790円 +245 円 (+6.9%) 11:30現在 東証1部 上昇率9位
大平洋金属<5541>や住友金属鉱山<5713>といったニッケル関連株が急伸。ロンドン金属取引所(LME)のニッケル3カ月物が18日、1トン当たり1万5275ドルと15年1月以来、約3年ぶりの高値水準に上昇。米国のロシア制裁が同国のニッケル大手ノリリスク・ニッケルに波及するとの思惑が強まっており、ニッケル需給の引き締まり観測が出ている。こうしたなか、日本のニッケル関連株に買い人気が波及している。
■田中化学研究所 <4080> 1,590円 +67 円 (+4.4%) 11:30現在
田中化学研究所<4080>、新日本電工<5563>、ホソカワミクロン<6277>、戸田工業<4100>、安永<7271>などリチウムイオン電池関連が軒並み物色人気を集めている。欧米や中国で自動車の環境規制が強まるなか、電気自動車(EV)の普及が加速する状況にあるが、これに合わせ国内の大手電子部品メーカーなどがEV向け需要を取り込むための設備投資に積極化させる動きが顕著となっている。これに伴いEVの動力源となるリチウムイオン電池の需給ひっ迫が再び意識され始めた。リチウム電池の正極材や負極材、電解液などの材料を手掛けるメーカーに投資資金が向かっている。
■新日鐵住金 <5401> 2,448.5円 +94.5 円 (+4.0%) 11:30現在
新日鉄住金<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など鉄鋼株が高い。世界的なメタル市況の上昇がチャート的に出遅れ顕著な鉄鋼株にも底値買いを促す発端となっている。また、国内では首都圏を中心に大型都市再開発の動きが活発化するなか、建設資材である鋼材需要が拡大、つれて鋼材価格も上昇傾向を強めており、鉄鋼株への見直し買いを誘っている。
■カチタス <8919> 3,515円 +135 円 (+4.0%) 11:30現在
カチタス<8919>は6日ぶり急反発、17日ザラ場に大口の売りが出たものの長い下ヒゲをつけバランスを立て直し、きょうは満を持して切り返しに転じている。日米間の貿易摩擦の問題などを嫌気して主力輸出株に買いが入りにくい環境にあるが、一方で内需系銘柄には根強い買いが入り、とりわけ不動産流動化関連など低金利環境を強みとした中小型株に物色の矛先が向いている。同社は戸建てのリノベーション販売で業界トップシェアを誇り、業績は18年3月期営業利益段階で前期比40%増益見通しと絶好調だ。地方都市郊外の戸建て住宅を中心に安い値段で仕入れ、リフォームして高く売却するビジネスモデルで、昨年来地方圏の地価が上昇傾向にあるなか追い風が意識される。「地方都市には既に650万戸の空き家があり、さらに年間60万戸ペースで増加している状況。同社にとって市場開拓余地は大きい」(国内中堅証券)との見方が株高を後押ししている。
■日本郵船 <9101> 2,288円 +58 円 (+2.6%) 11:30現在
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が買われている。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の上昇基調が顕著となっている。前日に72ポイント高と大幅高で8連騰を記録、1124まで水準を戻した。一時、対中国を筆頭に米国の保護主義色の強い通商政策により世界景気の減速につながるとの懸念が浮上、バルチック指数も3月から4月上旬にかけて大きく下押した。しかし、その後はトランプ米大統領の打ち出す輸入制限措置が世界経済に与える影響は限定的との見方が定着し始め、同指数も戻り足を強めている。これが、海運株への見直し買いの動きに反映されている。
■東京応化工業 <4186> 3,955円 +95 円 (+2.5%) 11:30現在
東京応化工業<4186>が4日ぶり反発。18日取引終了後に光学材料の開発・製造を手掛ける米ピクセリジェント社(メリーランド州)に200万ドル(約2億2000万円)を出資したと発表したことで、これを好材料視した買いが入っている。同社は今後成長が期待できる有機ELディスプレーやCMOSイメージセンサーの高輝度化・高感度化に貢献する高屈折率材料の提供を推進するため、高屈折率無機材料の機能的に表面修飾された酸化ジルコニウムナノ粒子(ZrO2)を直径10ナノメートル(10億分の1メートル)以下で量産する技術を持つ世界屈指のメーカーであるピクセリジェント社に出資することを判断したという。
■UACJ <5741> 2,880円 +63 円 (+2.2%) 11:30現在
UACJ<5741>や日本軽金属ホールディングス<5703>といったアルミニウム関連株が高い。18日に発表された米アルミニウム大手のアルコアの1~3月期決算が好調だったことから、同社株が上昇。この日の東京市場ではUACJや日軽金HDに連想買いが流入している。また、ロンドン金属取引所(LME)でアルミ相場が急上昇。ロシアのアルミ大手ルサールに対する米国の制裁措置でアルミ供給が減少するとの見方から、アルミ価格は約7年ぶり高値に上昇している。
■アルヒ <7198> 1,513円 +33 円 (+2.2%) 11:30現在
アルヒ<7198>は一時急騰し上場来高値を更新。この日の寄り前に、住宅ローンの契約手続きをWeb上で行うことができる電子契約サービスの導入を開始すると発表しており、これを好感した買いが入っている。同サービスは、新日鉄住金ソリューションズ<2327>の電子契約サービス「CONTRACTHUB@absonne」を採用し、住宅ローンを利用する際、従来は紙の書類で利用者が手続きしていた契約プロセスをWeb上で円滑に行えるようにするというもの。印紙代の負担や署名・押印の手間を削減することができるほか、スピードの向上や業務の効率化にもつながると期待されている。
■DIC <4631> 3,795円 +60 円 (+1.6%) 11:30現在
DIC<4631>は続伸している。18日の取引終了後、塗料用樹脂全般を5月15日出荷分から値上げすると発表しており、採算改善につながるとの期待から買いが入っているようだ。原油価格の上昇や、中国の環境規制強化による石化原料の供給量減少、また需要増加による需給バランスの逼迫化などで、塗料用樹脂の主原料となるアクリル系モノマなどの価格が高騰しているほか、物流コストが上昇しており、自助努力だけで吸収することは困難と判断したという。なお、値上げ幅は1キログラム当たり15円以上としている。一方、きょう付の日本経済新聞で「2018年1~3月期の連結営業利益は前年同期比7%減の120億円強だったようだ」と報じられたが、これに対する反応は限定的のようだ。
■五洋建設 <1893> 833円 +13 円 (+1.6%) 11:30現在
五洋建設<1893>が4日続伸。18日の取引終了後、シンガポール住宅開発庁からテコン島A・C地区干拓地造成工事をオランダ企業と共同で受注したと発表しており、これを好材料視した買いが入っている。同工事は、シンガポールの東に位置するテコン島の北西部に、同国では初の試みとなる干拓地方式で約810ヘクタールを造成するというもの。受注金額はJVで約999億円、五洋建の受注金額は約489億円となる。なお、工期は48カ月で22年4月に竣工を予定している。
■エムアップ <3661> 1,340円 +300 円 (+28.9%) ストップ高 11:30現在
エムアップ<3661>がストップ高まで買われている。同社は18日、VR(仮想現実)事業を展開する新会社「VR MODE(ブイアールモード)」を設立したと発表。今後の事業展開などが期待されているようだ。新会社の設立は、主力であるファンクラブ事業などで培った、アーティスト、タレント、アイドル、俳優、声優といった各権利元とのリレーションを生かし、VRを中心とした先端表現技術を用いたライブ動画の生配信など、新たな事業の創出と発展、拡大を図ることが目的。株主構成は同社のほか、業務提携先や社外協力者などの個人、権利保有者などとしており、技術開発から通信、コンテンツ制作までさまざまな事業会社などが参加することで、VRに関連する総合的な機能を持ち、事業を強力に推進するためのコンソーシアムになるとしている。
●ストップ高銘柄
農業総合研究所 <3541> 2,091円 +400 円 (+23.7%) ストップ高買い気配 11:30現在
小田原機器 <7314> 931円 +150 円 (+19.2%) ストップ高 11:30現在
パルマ <3461> 4,950円 +700 円 (+16.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース