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【特集】清水三津雄氏【高まる上昇ムード、セルインメイ逆展開の東京市場】(2) <相場観特集>

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

―米株高が追い風、見えた日経平均2万3000円突破の道筋―

 週明け14日の東京株式市場は、米株上昇を引き継ぐ形で日経平均株価は3日続伸と上値追い基調を継続した。これまで企業の決算発表を絡め先行き慎重な見方も強かったが、その不安を拭うように全体相場は徐々にリスクオンの流れが形成されている。フシ目となる2万3000円ラインを視界にとらえ、さらなる上昇が見込めるのか。市場第一線で活躍する業界関係者に5月、6月相場の展望について聞いた。

●「6月中旬にかけ2万4000円試す展開も、ゲーム関連など注目」

清水三津雄氏(日本アジア証券 エクイティ・ストラテジスト)

 日経平均は、1ヵ月後の6月中旬に向けて2万4000円を試す展開が期待できるとみている。

 4月下旬から始まった決算発表は、ほぼ堅調な内容となったと言っていいだろう。例えば、ソニー <6758> やトヨタ自動車 <7203> は19年3月期は減益予想となっているが、前期が非常に良好だった面があるほか、トヨタの今期想定レートが1ドル=105円に置かれるなど、保守的な内容となっている。この先、業績は増額修正が期待できる内容だと思う。

 今後、決算発表が一巡すると、次は政治イベントが相次ぐことになる。6月12日の米朝首脳会談への関心が高いが、その前には6月8~9日に主要7ヵ国(G7)首脳会談があるほか、米朝首脳会談の後には日朝首脳会談が開かれる可能性もある。この政治日程をこなすことが、株高につながることも期待できる。

 こうしたなか、日経平均は1月につけた2万4129円34銭の年初来高値を視野に入れた展開が見込めそうだ。

 個別セクターでは、電機やゲーム関連株などに注目している。電機セクターは今期のガイダンスが保守的なものが少なくなく、上振れ余地はありそうだ。また、米国では6月に世界最大規模のゲームショー「E3」(12~14日)が開催される。ゲーム関連では任天堂 <7974> やソニーなどが注目されよう。それに、足もとの株価が軟調なファナック <6954> も押し目買いのチャンスだと思う。

 また、6月22日のOPEC(石油輸出国機構)総会に向けて原油価格の動向にも注意しておきたい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・みつお)
日本アジア証券エクイティ・ストラテジスト。歯切れの良さと分かりやすい説明に加え、ピンポイントの銘柄分析に定評がある。セミナー講師を年間50回以上務め、個人投資家との対話が好評を博す。「ラジオNIKKEI」「日経CNBC」「ストックボイス」にレギュラー出演中。

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