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【市況】安倍総裁3選によるプラスインパクトに期待/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 20日の日本株市場は、直近の急ピッチの上昇に対する過熱警戒感から利益確定の流れも強まりやすいが、底堅い相場展開になりそうだ。19日の米国市場は、主要ハイテク株には売りが広がったものの、中国の李克強首相が輸出競争力を向上させるために人民元切り下げを行わないと発言し、貿易摩擦への懸念が後退するなか、NYダウは158ドル高となった。この流れを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比60円高の23580円。円相場は1ドル112円20銭台で推移している。

 米国債利回りは上昇しており、10年債は心理的節目の3%を上回ってきている。イールドカーブのフラット化も一服する中、株式市場では銀行株が上昇しており、日本株市場においても銀行株や保険株への資金流入が意識されそうだ。また、原油相場も上昇しており、エネルギー関連への物色につながろう。

 先物市場では引き続き海外勢の売買が活発であり、225型ではクレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、TOPIX型ではUBS、モルガン・スタンレー、バークレイズなどの買いが目立っていた。昨日の日本株市場も、前日同様の相場展開となり、日経平均の上昇率1.08%に対して、TOPIXの上昇率は1.46%と、ショートカバーを中心にNTの修正が行われている。金融セクターの上昇が見込まれるなか、本日もTOPIX優勢の相場展開といったところであろう。

 また、本日は安倍首相の自由民主党総裁任期満了に伴う総裁選挙が行なわれる。安倍総裁の3選が確実視されており、来年10月には消費増税が予定されるなか、着実な実施に向けての経済テコ入れ策などがプラスインパクトとして期待される。日経平均は足元の上昇でもち合いレンジ上限であった23000円を支持線に変えてきており、1月23日のザラ場高値の24129.34円、終値ベースの年初来高値24124.15円ともに射程に入ってきている。海外勢のショートカバー次第の面はありそうだが、需給状況が改善するなか、先高期待は強まることになろう。

 また、依然として需給懸念が根強い個人主体の中小型株ではあるが、昨日はそーせい<4565>がストップ安となるなかでも、マザーズ指数は僅かながら続伸となった。マザーズ指数は75日線が心理的な抵抗であり、同線が位置する1043Pt近辺を捉えてくるようだと、センチメントを明るくさせそうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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