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【経済】NYの視点:米国とサウジアラビアの緊張高まる


米財務省はムニューシン財務長官がサウジアラビアで開催予定の投資家会合の参加を見合わせる決定を発表した。この会合は、「砂漠のダボス会合」と呼ばれ、スイス、ダボスで毎年1月に開催される各国の政治家や企業幹部、投資家が参加する国際的な会合の中東版。

トルコのサウジアラビア大使館内で、サウジアラビアのジャーナリストが失踪した事件を巡り、米国とサウジアラビアの関係悪化が懸念材料となっている。米国からは、CNBCやブルーンバーグといったメディア、ゴールドマンサックス、JPモルガンなどの大手金融の幹部もすでに欠席を発表している。

サウジアラビア、トルコで会談後、帰国したポンぺオ国務長官は、サウジアラビアの独自調査が終了するまで、米国政府の対応決定を待つようトランプ大統領に伝えた。トランプ政権にとり、サウジアラビアは最大の武器の輸出国。さらに、サウジアラビアは、トランプ大統領が就任後初めて訪問した国でもあり、テロとの戦いにおいて、「サウジアラビアはなくてはならない重要な同盟国」と述べている。一方で、議会からは、武器の販売を取りやめるべきだとの訴えも強まりつつあり、今後の対応に注目が集まる。

サウジアラビアの駐米大使は帰国。一方、米国側は通常外交的な関係が悪化した場合に踏み切る制裁の発表や、駐サウジアラビア大使などの帰国命令をまだ出していない。今後の行方に注目が集まる。

例年10月の株式相場は、ヘッジファンドなどが手仕舞に動くことが要因となり脆弱に推移する。本年も、加えて、米国とサウジアラビアの緊張に加えて、イタリアの債務問題、米中貿易摩擦の長期化・深刻化などリスクは山積みだ。11月には米国の中間選挙を控える。当面、慎重な展開が継続すると見る。

《CS》

 提供:フィスコ

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