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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「流れにつく7月相場」

株式評論家 富田隆弥

◆29日に開催される米中首脳会談に世界の目が集まり、その結果が7月のマーケットに影響することは言うまでもない(本稿執筆は27日)。首脳会談を見届けた後、株式市場が動く方向が大きなポイントになろう。

◆27日の日本マーケットは「米中通商協議は90%完了した」というムニューシン米財務長官の発言を受け、日経平均株価が251円高の2万1338円と高値引けし、為替(ドル円)は一時108円16銭と25日の106円78銭から円安方向に切り返した。ただし、米中通商協議の進展期待は根強いものの、こればかりは終わってみなければ分からない。

◆日経平均の日足を見ると、25日移動平均線を突破して21日に2万1497円高値をつけたが、2万1400円~2万1500円台に控える75日移動平均線や一目均衡表の「雲」に差し掛かり頭を押さえられた。200日移動平均線も2万1645円に控えることから、さらなる上昇には「2万1650円以上」が条件となる。逆に2万1000円割れに沈むのならば調整入りが否めなくなる。

NYダウはFRB(連邦準備制度理事会)の利下げ観測(年内2回)もあって21日に2万6907ドルの上ヒゲ高値をつけ、昨年10月の過去最高値2万6951ドル(ザラバ高値)に肩を並べた。その後は足踏みとなり米中協議の結果待ちといった状況だ。

◆昨年10月の最高値を突破するのならもう一段の上値追いとなるだろうが、逆に調整を見せるようであれば半値押しの2万5800ドルや、200日移動平均線の2万5456ドルを探ることになる。

◆このNYダウは6月3日安値2万4680ドルからわずか3週間で2227ドル(9%)も上げ、日足RCI(13日線と25日線)は90%水準で過熱信号を灯す。7月の利下げや米中協議進展への期待など「イイとこ取り」で大きく上げてきたNYダウだけに、G20後は「出尽くし感」から利食い急ぎとなる可能性もある。そうなると、世界のマネーは「リスク回避」となり、為替は円高に向かい、日本株は調整入りするだろう。

◆日米の株式市場は5月調整→6月上昇と一方向に偏る動きを見せており、7月は調整に偏る可能性も否定できない。いずれにせよ「AI」が売買指令を出す時代でもあり、7月相場は動く方向が大事で、スタンスはその流れにつくことが基本となろう。上げるにも下げるにも材料は事欠かず、あとからついてくるときておきたい。

(6月27日 記、毎週土曜日10時に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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