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【特集】大谷正之氏【続急落、円高受け波乱の日経平均ここからの展望】(1) <相場観特集>

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

―米中摩擦激化、リスクオフの円高加速とどう向き合うか―

 週明け5日の東京株式市場は日経平均株価が一時500円を大きく上回る下落となるなど波乱展開となった。前週末と合わせ下げ幅は一時1000円を超えるリスク回避ムード一色に覆われた。外国為替市場で1ドル=105円台に入る円高が大きく嫌気された格好だが、この激流はまだ続くのか。それともリバウンドの機が近いのか。先読みに定評のある市場関係者に今後の相場見通しと物色対象について話を聞いた。

●「真夏の波乱で日経平均2万円割れも、米中摩擦の行方を注視」

大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)

 東京株式市場は、当面値動きの激しいボラタイルな展開が続きそうだ。夏場に相場が荒れることは少なくないが、今年もお盆明け頃まで、かなり神経質な展開が続く可能性がある。

 株価急落の背景には、トランプ米大統領が中国に対する第4弾の追加関税を発動したことがある。今後、9月1日までに実際に追加関税の発動があるか、どの製品に関税をかけるのか、関税率の25%への一段の引き上げはないのか――などを確かめる必要がある。足もとでは中国・人民元が下落している。この人民元安には、中国当局の意図が働いていないかどうかも気になるところだ。

 日経平均の当面の下値メドは6月安値の2万300円前後、続いてPBR1倍ラインの2万100円前後、更に下値を探った場合、5年移動平均線のある1万9700円前後となる。上値は2万1700円前後とみているが、足もとの相場の基調は弱含みだろう。

 ドル円相場の下値は、年初の1月3日と18年3月につけた1ドル=104円半ばから前半がメドとみている。

 東京株式市場は米国や中国の動向次第で、下落が続くことはあり得るが、アドバンテスト <6857> のような半導体関連株、ツガミ <6101> やファナック <6954> のような工作機械関連株、それに、業績が堅調なソニー <6758> や富士通 <6702> のような銘柄の安値は、リバンド局面を視野に投資妙味があるとみている。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。

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