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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:米FOMC、日銀金融政策会合、ラグビーW杯開幕

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

■株式相場見通し

予想レンジ:上限22500-下限21750円

日経平均は4月24日に付けた年初来高値22362.92円を見据える展開となりそうだ。13日にかけての9連騰で上昇幅は1368円となり、22000円台回復で達成感が生じてもおかしくない。また、22000円台は価格帯別出来高などから見て売りも出やすい水準だ。秋分の日を含む3連休(21日から23日)や日米の金融イベントが控えることもあって、基本的には連騰後のもみあい商状が見込まれる。しかし、12日のECB理事会で、中銀預金金利を0.1pt引き下げマイナス0.5%としたのに加え、11月1日から月額200億ユーロ(約2兆3500億円)の債券購入を実施という量的緩和の導入はサプライズとして効いている。加えて17日から18日の米連邦準備制度理事会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を0.25pt引き下げるとの予想がコンセンサスになっている。米中貿易摩擦を背景とする景気悪化懸念の後退や金利低下による流動性相場への期待が、引き続き日経平均の下支え要因として働く。こうした欧米による金融緩和の流れが形成されるなか、18日からの日銀金融政策決定会合も焦点となってくる。日銀が無策だった場合は、為替の円高が誘発されるリスクがある。フォワードガイダンスの文言修正などの緩和手段に関心が向かうことになるだろう。ただし、米中貿易摩擦は引き続き相場の波乱要因であることは間違いない。中国との暫定合意検討説や関税先送り案などが報道され、市場船体が緩和期待に傾斜しているだけに、協議を妨げる悪材料が出た時の反動が大きくなることには留意しておきたい。

一方、物色的には、米長期金利の反転上昇で自動車や金融、素材といった景気敏感型のバリュー銘柄の浮上が顕著となってきた。金融株からハイテク株に循環物色も広がりを見せ始めており、東京市場全体の水準引き上げに寄与している。海外資金の流入も需給面での大きな変化だ。9月第1週(2日~6日)の投資部門別売買動向(現物株)では、海外投資家が6週ぶりに買い越しに転じ、買越額は1285億円と4月第4週以来、約4カ月ぶりの規模に膨らんだ。また、現物と先物の合算では2週連続で買い越し。買越額は3563億円(前週の買越額は72億円)に急増している。ショートカバーのみならず、海外勢による新規の買いも観測されており、海外投資家の市場復帰は追い風だ。間接的ながら、20日に「ラグビーワールドカップ 2019日本大会」が開幕することで、海外の目が日本に向きやすくなることもプラス材料だ。バリュー銘柄の台頭は日本株の出遅れ感を意識させることになり、日経平均は4月24日の年初来高値更新を意識してくることになるだろう。

主な国内経済関連スケジュールは、16日が敬老の日で東京市場休場、17日に東京商品取引所に電力先物が試験上場、18日に日銀金融政策決定会合(19日まで)、8月貿易統計、8月訪日外客数、19日に黒田日銀総裁会見、7月全産業活動指数、基準地価公表(国土交通省)、20日に8月消費者物価が予定されている。このほか、17日に国連総会(30日まで)、19日に中国通信機器大手・ファーウェイの略式判決請求の審理(米テキサス州連邦地裁)、20日に「ラグビーワールドカップ2019日本大会」開幕(11月2日まで)、任天堂<7974>の新型ゲーム機「Nintendo Switch Lite」発売が予定されている。


■為替市場見通し

来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は17-18日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定すると予想されており、一時的にドル売りが強まる可能性がある。ただし、通商問題などを巡る米中対立はいずれ解消されるとの思惑が広がっており、リスク要因の後退で円売りは継続し、ドルは下げづらい見通し。先週発表された8月消費者物価指数と8月小売売上高は市場予想を上回っており、インフレ鈍化の可能性が大幅に低下していることはドル・円相場に対する支援材料となりそうだ。

17-18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、0.25ポイントの追加利下げが賛成多数で決定される見込み。パウエルFRB議長は9月6日に開かれた討論会で世界経済や米国経済にはやや強気な見方を示す一方、FOMCでの追加利下げを示唆しており、市場は0.25ポイントの政策金利引き下げを織り込んでいる。FOMC内には利下げ継続に否定的な意見もあるが、先行き不透明感から慎重姿勢を堅持する方向で討議は一致する公算。トランプ大統領の利下げ要求も意識されそうだが、今回のFOMC会合では景気悪化に備えた予防的な措置としての大幅利下げ(0.50ポイント)が決定される可能性は極めて低いとみられる。


■来週の注目スケジュール

9月16日(月):国内株式市場は祝日のため休場(敬老の日)、中国小売売上高・鉱工業生産指数、トルコ失業率、ニューヨーク連銀製造業景気指数など
9月17日(火):中国新築住宅価格、独ZEW期待指数、米鉱工業生産指数、米FOMC(18日まで)など
9月18日(水):日・貿易収支、日銀政策委員会・金融政策決定会合(1日目)、米住宅着工件数、米FOMC政策金利発表・FRB議長記者会見など
9月19日(木):黒田日銀総裁が会見(日本)、豪失業率、英中銀が金融政策発表、米景気先行指数など
9月20日(金):ユーロ圏消費者信頼感指数、米ボストン連銀総裁が講演、加小売売上高など

《SK》

 提供:フィスコ

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