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【市況】米国株式市場見通し:米中協議や年末商戦の動向に注目


28日(木)は、感謝祭の祝日で米国株式相場は休場、翌29日(金)も午後1時までの短縮取引となる為、週を通じて閑散取引となることが予想される。引き続き米中協議の動向で株式相場が変動する展開となるだろう。年内に部分的な第一段階の合意に至るとの期待が広がっていたが、雲行きが怪しくなっており、追加情報を慎重に見極めたい。25日にはパウエルFRB議長の講演が予定されているが、今後の金融政策について何らかの示唆を得られるかが焦点となりそうだ。但し、現状更なる利下げは期待しにくい状況となっている。感謝祭明けのブラックフライデーから年末商戦が本格化することから、小売各社の動向も注視したい。

企業決算では、ネットワーク・セキュリティのパロアルト・ネットワークス (25日)、法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(25日)、家電量販店のベストバイ(26日)、ディスカウントストアのダラー・ツリー(26日)、アパレルのアバクロンビー&フィッチ(26日)、PCメーカーのHPやデル(26日)、農業機械のディア(27日)などの発表が予定されている。HPの決算では、複写機のゼロックス(XRX)による買収計画について経営陣の見解に注目が集まりそうだ。

経済指標では10月シカゴ連銀全米活動指数(25日)、9月FHFA住宅価格指数(26日)、11月消費者信頼感指数(26日)、10月新築住宅販売件数(26日)、10月卸売在庫(26日)、7-9月期GDP(改定値)(27日)、10月個人所得・支出(27日)などの発表が予定されている。年末商戦に向けて所得環境や消費者の節約志向が改善されているか、個人所得・支出統計から確認したい。27日には、FOMCでの基礎資料となるベージュブック(地区連銀経済報告)の発表が予定されている。

年末商戦では、携帯端末のアップルが10月末に発売したノイズキャンセリング対応の新型ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」が人気商品となりそうだ。検索大手アルファベット傘下のグーグルも来春発売予定のワイヤレスイヤホン「Pixel Buds 2」を発表した。今年に入り、ネット小売のアマゾンやソフトウェアのマイクロソフトもワイヤレスイヤホンを発表しており、主要ハイテク企業によるワイヤレスイヤホン市場への参入が目立つ。ワイヤレスイヤホンは単なるイヤホンの域を超え、各社サービスを音声で利用するためのアイテムという意味合いを強めており、音声アシスタントや自社アプリケーションなどの拡大に向けた戦略の1つと考えられる。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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