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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「12月上旬に高値アノマリー」

株式評論家 富田隆弥

年末商戦の始まる11月最終週はアノマリー(経験則)通りに順調だ。日経平均株価は11月27日まで4日続伸、高値を2万3608円(11月26日)まで伸ばし、 NYダウも4日続伸で高値を2万8174ドル、ナスダックも8705ポイントに伸ばしている。この調子で12月も師走相場やクリスマスラリーに期待したいところだが、高値で迎える12月上旬は少し注意が必要だ。

◆昨年は12月3日に戻り高値をつけたが、2015年は12月1日、2014年は12月8日、2013年は12月3日に戻り高値をつけている。年末年始に向けてまた切り返して高値を取りにいくこともあるが、12月上旬は年末商戦や年末相場に対する期待(買い)が集まりやすく、ここで株価は一旦高値をつけるアノマリーもある。

◆買い戻しが続く「裁定売り残」は11月22日現在8582億円と11週連続で減少し、9月6日のピーク(2兆666億円)から1兆2000億円も買い戻している。まだ買い戻しの余地はあるが、「裁定買い残6255億円」に近づいたこともあり、買い戻しのピッチがここから鈍ることも想定される。メジャーSQ(12月13日)が迫り、先物に利益確定売りが出てきてもおかしくない。

◆日経平均のチャートを見ると、今年は6月4日に4月高値からの調整で2万289円の安値をつけており、その安値期日(6ヵ月後)が12月4日に当たる。また、日足では11月8日の高値(2万3591円)から17本目が12月2日で、11月21日の安値(2万2726円)から9本目が12月3日と、日柄的にも変化日が集まる。

◆周知の通り、トランプ大統領は米議会の可決した「香港人権・民主主義法案」に署名した。中国は「内政干渉だ」と強く抗議している。これでは第一段階の合意や12月15日発動予定の追加関税を前に、「米中」関係の雲行きが再び怪しくなりかねない。

◆順調に高値圏にきている株式市場だが、12月上旬は一旦「利食い」に動くのも一策となろう。

(11月28日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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