【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:伯東、日本製鉄、三井物
伯東 <日足> 「株探」多機能チャートより
伯東<7433>はマドを開けて急騰、年初来高値を更新している。4月30日の取引終了後に発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比68.4%増の36億300万円で着地し、続く22年3月期も前期比5.5%増の38億円に伸びる見通しとなった。これを好材料視する買いが向かっている。今期は電子部品事業で回復基調にある自動車、産業機器、民生機器向けの伸長を計画するほか、今後も拡大が予想されるパソコンなどリモート関連機器分野の販売を強化する方針。また、電子・電気機器事業では、真空機器や露光装置の受注獲得に注力する構えだ。同時に、前期の年間配当を50円から60円(前の期は50円)に増額し、今期は60円を継続する方針とした。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の7.29%にあたる150万株または18億円を上限に自社株買いを実施することも発表しており、株主還元の拡充も好感されている。
■リケンテクノス <4220> 548円 +66 円 (+13.7%) 一時ストップ高 11:30現在 東証1部 上昇率4位
リケンテクノス<4220>がマドを開けて急伸、一気に25日移動平均線を上回った。塩ビコンパウンドのトップメーカーで自動車業界向けや生活資材関連など幅広い需要を取り込んでいる。同社が4月30日に発表した22年3月期業績予想は、売上高が前期比19%増の1050億円と大きく伸び、営業利益も増収効果を反映して同22%増の65億円を予想している。これを手掛かり材料に投資マネーが集中する形となっている。足もとで医療市場や食品包材市場で販売が増加しているほか、抗ウイルスフィルムが売り上げを伸ばし業績に貢献している。また、今期は自動車向け需要が底入れ反転し収益を押し上げそうだ。PERが10倍未満でPBR0.6倍台と指標面の割安さが際立つ。
■日本製鉄 <5401> 2,049円 +142 円 (+7.5%) 11:30現在 東証1部 上昇率9位
日本製鉄<5401>が急伸したほか、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>、神戸製鋼所<5406>など鉄鋼株の上昇が際立っている。業種別上昇率で「鉄鋼」は一時6%を超える急騰となり、東証1部33業種中で断トツとなっている。欧米を中心に新型コロナウイルスのワクチン普及を背景とした景気回復期待が強まっている。米国ではハイテク株が利食われる一方、堅調な経済指標の発表などを受けて景気敏感株に買いが集まり、NYダウが史上最高値を更新するなどその傾向が一段と顕著だ。グローバル経済の回復局面では、インフラ投資などの政策的追い風も考慮して鋼材需要で恩恵を受けやすいのが鉄鋼業界。日本製鉄は22年3月期業績の急回復観測などがメディアで報じられたことなども物色人気を助長している。
■三井物産 <8031> 2,462円 +158.5 円 (+6.9%) 11:30現在
三井物産<8031>や住友商事<8053>、三菱商事<8058>、双日<2768>といった商社株が軒並み高。三井物の株価は一時、連休前の30日終値に比べ8%超高に買われ年初来高値を更新した。同社は同日の後場に決算発表を行い、22年3月期の連結純利益は前期比37%増の4600億円と10期ぶりの最高益更新予想を明らかにした。鉄鉱石や原油価格の上昇など資源高が業績拡大の牽引役となる。今期配当は前期比5円増の90円と連続増配予想。同時に、3000万株(発行済み株式数の1.8%)、500億円を上限とする自社株買いも発表した。また、同日に決算を発表した双日の22年3月期の連結純利益は前期比96%増の530億円の大幅増益の見込み。5000万株(発行済み株式数の4.2%)、150億円を上限とする自社株買いを発表している。これを受け、今後決算を発表する住友商や三菱商にも連想買いが流入している。
■牧野フライス製作所 <6135> 4,395円 +275 円 (+6.7%) 11:30現在
30日に決算を発表。「前期経常が上振れ着地・今期は黒字浮上、10円増配へ」が好感された。
牧野フライス製作所 <6135> が4月30日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期の連結経常損益は13.7億円の赤字(前の期は41.3億円の黒字)に転落したが、従来予想の36億円の赤字を上振れて着地。22年3月期は26億円の黒字に回復する見通しとなった。
⇒⇒牧野フライス製作所の詳しい業績推移表を見る
■日本調剤 <3341> 1,880円 +110 円 (+6.2%) 11:30現在
30日に決算を発表。「今期経常は8%増益へ」が好感された。
日本調剤 <3341> が4月30日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比13.6%増の84億円になり、22年3月期も前期比8.2%増の91億円に伸びる見通しとなった。21期連続増収、3期連続増益になる。
⇒⇒日本調剤の詳しい業績推移表を見る
■日本エム・ディ・エム <7600> 2,241円 +127 円 (+6.0%) 11:30現在
30日に決算を発表。「今期経常は25%増益、1円増配へ」が好感された。
日本エム・ディ・エム <7600> が4月30日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比17.7%減の21.2億円になったが、22年3月期は前期比24.7%増の26.5億円に拡大する見通しとなった。
⇒⇒日本エム・ディ・エムの詳しい業績推移表を見る
■スクロール <8005> 1,056円 +56 円 (+5.6%) 11:30現在
スクロール<8005>がカイ気配スタートで一気に水準を切り上げてきた。同社は5連休前の4月30日取引終了後21年3月期業績予想の修正を発表。営業利益段階で従来予想の64億円から73億8500万円(前の期比3.4倍)に大幅増額した。21期ぶりに過去最高営業利益を更新する。これまでの過去最高は2000年3月期の23億8700万円だったが、その時の3倍以上と驚異的な伸びとなった。同社は若年女性層向けを中心としたアパレルや生活雑貨などを主力にカタログ通販やeコマースを展開、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が高まった巣ごもり消費を捉え業績に反映させた。年間配当も従来計画の52円から60円に増額した。前の期実績は10円であり、50円の増配となる。
■アイカ工業 <4206> 4,090円 +210 円 (+5.4%) 11:30現在
30日に決算を発表。「今期経常は16%増で2期ぶり最高益、前期配当を1円増額・今期は1円増配へ」が好感された。
アイカ工業 <4206> が4月30日大引け後(15:20)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比13.6%減の184億円になったが、22年3月期は前期比16.1%増の214億円に拡大を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。同時に、前期の年間配当を106円→107円(前の期は106円)に増額し、今期も前期比1円増の108円に増配する方針とした。
⇒⇒アイカ工業の詳しい業績推移表を見る
■マクニカ富士 <3132> 2,322円 +115 円 (+5.2%) 11:30現在
マクニカ・富士エレホールディングス<3132>が大幅高で3日ぶりに反発している。4月30日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が5220億円から5539億6200万円(前の期比6.3%増)へ、営業利益が145億5000万円から187億6900万円(同29.9%増)へ、純利益が86億円から108億7500万円(同93.1%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感されている。集積回路及び電子デバイスその他事業で、5Gやデータセンター、自動車の電動化に向けたFA機器、半導体需要の増加による半導体製造装置などの需要が増加したほか、車載市場で年後半に着実な回復があったことが寄与した。また、ネットワーク事業で、引き続きセキュリティー関連商品やネットワーク関連商品の導入が進んだことや、クラウド関連商品が拡大したことも貢献した。
■オリンパス <7733> 2,332.5円 +85 円 (+3.8%) 11:30現在
オリンパス<7733>が大幅反発している。同社は4月30日の取引終了後に業績修正(国際会計基準)を発表。21年3月期の連結最終利益を従来予想の85億円から125億円(前の期比75.8%減)へ上方修正しており、これが好感されているようだ。すべての事業が堅調に推移するなか、今後の見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性を再評価した結果、繰延税金資産の計上などに伴う法人所得税費用が減少したことが要因という。併せて、イスラエルの医療機器メーカーMedi-Tateの株式取得予定日を5月31日(従来は4月30日)に変更することを明らかにしている。
■日経レバ <1570> 16,500円 +600 円 (+3.8%) 11:30現在
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急速に切り返し、75日移動平均線を上回ってきた。日経レバは日経平均にリンクしたETFで変動率が日経平均株価の2倍に基本設定されていることが特徴であり、全体相場のボラティリテイが高まると、短期値幅取りを狙った資金の流入が活発化する傾向がある。きょうの東京株式市場はリスクオン相場の色が強まった。前日の米国株市場の地合いを引き継ぎ景気敏感株中心に大口の買い需要が反映され、日経平均は600円超の上昇をみせた。これに連動する形で日経レバも大きく水準を切り上げている。なお、1株を2株にする株式分割に伴い4月27日から1万6000円近辺での推移となっており、株価の変動率は2倍のままだが、変動幅という点では日経平均に近い形となっている。
■第一生命HD <8750> 2,031.5円 +66 円 (+3.4%) 11:30現在
第一生命ホールディングス<8750>は反発。4月30日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高に当たる経常収益が6兆4870億円から7兆8270億円(前の期比10.0%増)へ、経常収益が4150億円から5520億円(同2.5倍)へ、純利益が2620億円から3630億円(同11倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感されている。傘下の第一生命保険及び第一フロンティア生命保険において、有価証券売却損益が改善したことが要因としている。また、第一フロンティア生命の市場価格調整にかかる責任準備金が海外金利の上昇を受けて、戻し入れとなったことなどもプラスに働いたとしている。
■JT <2914> 2,102円 +58 円 (+2.8%) 11:30現在
JT<2914>が反発している。4月30日の取引終了後に発表した21年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算(国際会計基準)は、売上高5473億6600万円(前年同期比5.3%増)、営業利益1601億2900万円(同24.2%増)となり、これが好感されている。海外たばこ事業における数量成長とプライシング効果が牽引し、増収増益を達成した。海外たばこ事業では渡航制限に伴う一部高単価市場での総需要の増加といった一時的な要因もあった。また、販売促進費が減少したことも増益に貢献した。
■nms <2162> 399円 +80 円 (+25.1%) ストップ高 11:30現在
製造派遣・請負を手掛けるnms ホールディングス<2162>がストップ高。4月30日の取引終了後、21年3月期の連結営業利益を従来予想の6億円から6億8500万円(前の期比25.5%減)へ上方修正すると発表しており、これが好感されているようだ。第2四半期に入り、中国の経済活動回復が顕著となり、国内においてもHS事業を中心に半導体・電子部品関連などの繁忙な業種で需要が堅調に推移したことが要因。また、グループ全体で徹底した固定費削減策を実行した効果も寄与した。一方、為替差損の発生に加え、新型コロナウイルス感染症関連損失と事業構造改革費用を計上したことで、最終損益は7億3500万円の赤字(従来予想は3億円の赤字)に下方修正している。
■シンクレイヤ <1724> 873円 +150 円 (+20.7%) ストップ高買い気配 11:30現在
シンクレイヤ<1724>がストップ高カイ気配となっている。4月30日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を114億円から118億円(前期比8.3%増)へ、営業利益を6億1000万円から8億4000万円(同9.8%増)へ、純利益を4億1500万円から6億円(同13.4%増)へ上方修正し、減益予想から一転して営業増益予想としたことが好感されている。主に通信事業者向け機器販売及びケーブルテレビ事業者向けFTTH関連工事の受注状況が想定よりも好調に推移しており、通信用光端末器の受注が計画を上回ったことに加えて、工事も順調な進捗となっていることから、利益面での改善が見られるとしている。また、製造原価の低減に加え、販管費も予算を下回る見込みとしている。
■アズーム <3496> 4,825円 +700 円 (+17.0%) ストップ高 11:30現在
アズーム<3496>がストップ高に買われている。4月30日の取引終了後に発表した21年9月期上期(20年10月~21年3月)の連結経常利益は前年同期比5.7倍の2億5200万円に急拡大して着地。従来予想の1億8000万円を大きく上回っており、これが好材料視されている。月極駐車場ポータルサイト「CarParking」への問い合わせ件数が増加し、想定以上に駐車場紹介件数とサブリースの稼働台数が大きく伸びたことが寄与した。また、引き続き経費全般のコントロールを実施したことも利益拡大につながった。なお、通期計画は従来予想の4億5000万円を据え置いている。
■カーメイト <7297> 1,080円 +150 円 (+16.1%) ストップ高買い気配 11:30現在
カーメイト<7297>がストップ高の1080円水準でカイ気配となっている。4月30日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が148億円から157億2300万円(前の期比5.9%減)へ、営業利益が5億5300万円から13億6100万円(同48.1%増)へ、純利益が3億2300万円から9億2200万円(同38.6%増)へ上振れ、減益予想から一転して営業増益で着地したようだと発表したことを受けて買いを集めている。新型コロナウイルス感染症の影響が想定を下回ったことに加えて、グループ全体で取り組んできたトータルコストの削減などにより収益性が改善したことが利益を押し上げた。
●ストップ高銘柄
nms <2162> 399円 +80 円 (+25.1%) ストップ高 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
AI inside <4488> 23,300円 -7,000 円 (-23.1%) ストップ安売り気配 11:30現在
以上、1銘柄
株探ニュース