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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 MSCIリバランス通過で2万9000円を意識したトレンドに期待


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 28880 +350 (+1.22%)
TOPIX先物 1933.0 +26.5 (+1.38%)
シカゴ先物 28850 +320
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 27日の米国市場はNYダウ、S&P500が上昇する一方、ナスダックは小幅に下落。米新規失業保険申請件数が4週連続で減少したことにより、労働市場の回復が順調に進んでいるとの見方が強まり、景気敏感株を中心に買われた。一方でイエレン米財務長官は一時的としつつも、高いインフレ率が今年末まで続く公算が大きいとの見解を示したこともあって長期金利は上昇。これがハイテク株への重荷となり、ナスダックの小幅な下落につながっている。S&P業種別指数は自動車・自動車部品、資本財、銀行が上昇する一方で、家庭用品・パーソナル用品、テクノロジー・ハード・機器、ソフトウエア・サービスが下落。 

 シカゴ先物清算値は日中大阪比320円高の2万8850円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比変わらずの2万8530円で始まり、2万8500円まで下落。しかし、その後は強い基調から上昇に転じており、米国市場の取引開始後に2万8800円に乗せると、保ち合いの展開に。そこから終了間際には2万8880円をつけ、ナイトセッションの高値で取引を終えた。

 本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い優勢で始まることになりそうだ。日経225先物は足元で5日移動平均線を支持線としたリバウンド基調を続ける一方で、25日移動平均線に上値を抑えられていた。煮詰まり感が台頭するなかで25日線を突破してきており、方向性としては節目の2万9000円のほか、75日線が位置する2万9160円辺りが目先的なターゲットとして意識されてくる。米国では長期金利の上昇を受けてハイテク株の一角が上値を抑えられており、ナスダックの重荷とはなったものの、SOX指数は上昇。VIX指数は15.74と5月上旬以来の水準に低下していることもあり、リスク選好の動きとなる。

 ギャップスタートとなる可能性から指数インパクトの大きい値がさ株の影響が目立つことになりそうだ。加えて、MSCIのリバランス通過によって需給が軽くなることから、よりインパクトが大きくなりやすいだろう。

 ただし、週末要因のほか、週明けの米国市場はメモリアルデーの祝日となることから、買い一巡後は次第にこう着感が強まる可能性がある点は注意しておきたい。また、国内要因では9都道府県の緊急事態宣言を来月20日まで延長する方針と伝わっていることから、経済活動正常化の遅れへの警戒を背景とした、短期のヘッジファンドによるショートの動きも想定しておきたい。

 NT倍率は先物中心限月で14.96倍に上昇しており、直近の保ち合いレンジの上限である15.00倍に接近。いったんはNTロングのポジションによる利益確定に伴う動きも出やすいところだ。もっとも、日経225先物は足元の抵抗線を上放れることによって需給状況も改善に向かうことから、短期的なショートの動きに対しては押し目狙いのスタンスにより、ロング比率を若干高める動きになるだろう。

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