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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

レーザーテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■レーザーテク <6920>  24,070円 (+1,200円、+5.3%)

 レーザーテック <6920> が7日続伸。前日30日の米国株市場では米長期金利低下を背景に半導体などのハイテク系グロース株に買いが目立ち、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続伸し3446.441まで上昇、今月初旬につけた過去最高値3436.895を上回り過去最高値を約3週間ぶりに更新した。これを受けて東京市場でも関連株には追い風が意識された。

■フリー <4478>  8,920円 (+420円、+4.9%)

 フリー <4478> [東証M]、JMDC <4483> [東証M]、JTOWER <4485> [東証M]、弁護士ドットコム <6027> [東証M]などマザーズに上場する時価総額上位の銘柄に買いが目立つ展開でマザーズ指数を押し上げた。ここにきてマザーズ市場の個人投資家の評価損益率が改善傾向を強めている。マザーズ指数は7月から8月中旬にかけて調整色を強め、一部個人投資家の追い証回避目的の投げを誘う場面もあったが、8月18日に大陽線をつけて目先底入れを明示。以降は陽線の連続で戻り足を強めている。5日・25日移動平均線がゴールデンクロスを示現し、マザーズ指数自体も75日移動平均線との下方カイ離を埋める形でトレンド転換を印象づけている。

■USENHD <9418>  3,085円 (+141円、+4.8%)

 USEN-NEXT HOLDINGS <9418> が大幅続伸。31日正午ごろ、新生銀行 <8303> と共同出資した金融サービス会社USEN-NEXT フィナンシャルが、アプラス(東京都千代田区)と共同し、USEN-NEXTグループの顧客に向けた事業性融資「USEN-NEXT データ・レンディング」の提供を9月1日に開始すると発表。同商品は、決算書や確定申告書など従来の財務諸表だけに依存した与信審査ではなく、POSレジ、会計ソフト、銀行口座取引情報などを審査の対象として加え、特にUSEN-NEXTグループが提供するタブレット型POSレジ「Uレジ」を利用している顧客の売上情報を活用したトランザクションデータ・レンディング。当面はこうしたトランザクションデータを金利設定などに活用し、将来的には与信審査に活用していく予定としている。

■NISSHA <7915>  1,778円 (+80円、+4.7%)

 NISSHA <7915> は大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が30日付で投資判断「バイ」を継続し、目標株価を1800円から2000円へ引き上げた。スマートフォン向けフィルムセンサー需要の減少などによる22年12月期大幅営業減益の可能性に対する警戒感から足もと株価はもみ合い局面を迎えているが、同証券では産業資材やモビリティーなどの非IT分野の需要底上げに加え、キャッシュフロー及び財務体質の改善、メディカルテクノロジー部門の中長期的な成長性などを考慮すれば、株価には上昇余地があると指摘。23年12月期は増収増益に転じると同証券では予想しており、営業利益予想を96億円から110億円へ上方修正している。

■マクアケ <4479>  5,600円 (+240円、+4.5%)

 マクアケ <4479> [東証M]が4日続伸。31日午前11時ごろ、運営するクラウドファンディングサービス「Makuake」が、海外から応援購入を受け付けるグローバル展開機能「Makuake Global」の提供を開始したと発表。同機能は、「Makuake」を実施中の実行者が、プロジェクト期間中に国内だけではなく海外から応援購入を受け付けることができる機能。海外展開を目指す実行者に向けて、アジア圏やヨーロッパ圏など海外消費者向けのページ作成から決済、配送、CS(カスタマーサポート)まで一貫した支援を行うとしている。

■UT <2146>  3,020円 (+121円、+4.2%)

 UTグループ <2146> が大幅続伸。30日の取引終了後、富士通 <6702> 系人材サービス会社の富士通エフサス・クリエ(川崎市中原区)の株式の51%を10月1日付で取得し子会社化すると発表。UTでは、大手企業グループ向けに人材流動化をはじめとする構造改革支援を提供しており、富士通グループとは18年に富士通アプリコ(現FUJITSU UT)の株式を51%取得し人材派遣事業で協業している。今回の株式取得は、富士通グループとの関係を一層強化するのが狙いで、取得価額はアドバイザリー費用を含め概算で1億9000万円。なお、同件による22年3月期業績への影響は軽微としている。

■日本電子 <6951>  8,130円 (+320円、+4.1%)

 日本電子 <6951> が大幅続伸。前週26日につけた高値7860円を払拭し上場来高値を更新した。同社は電子顕微鏡の世界トップメーカーだが、レーザー分野の高い技術力を生かし、半導体向けマルチビーム描画装置で先駆している。マスク描画装置は従来のシングルビーム装置の需要も旺盛ながら、EUV露光プロセスの生産性を向上するマルチビーム方式に対する引き合いが急速に強まっている。半導体の微細化を背景として使用マスク枚数が増加する傾向にあるが、マルチビーム描画装置はナノレベルの26万本の電子ビーム照射による描画で工程時間を従来比3分の1に短縮することが可能で、このニーズに応える。海外ファンドなどの実需買いが観測されるなか、株価は青空圏を進む展開となっている。

■日本製鉄 <5401>  2,248円 (+79.5円、+3.7%)

 日本製鉄 <5401> が続伸。前週23日を境にトレンドを一変させ上値追い態勢を強めている。PER5倍台、PBR0.6倍台と割安感が強く、配当利回りも5%近い。海運株人気を引き継いで、業績回復色の強い市況関連株の象徴として物色人気化している。鋼材価格の値上げに加え、秋の総選挙に絡み経済対策に伴うインフラ需要創出で鋼材需要が高まるとの期待もある。直近では個人投資家の買いも観測され、信用買い残は8月20日現在まで3週連続で増加、1300万株まで拡大している。海運株とは異なり、年初来高値水準にはまだ届かず、上値の伸びしろが大きいとの思惑も働きやすい。

■郵船 <9101>  8,870円 (+300円、+3.5%)

 日本郵船 <9101> を筆頭とする海運株人気が止まらない状況にある。日本郵船は目先利益確定売りをこなしながら、約13年ぶりの高値圏で強調展開を続けている。背景にあるのは業績の急拡大で、営業利益は21年3月期の85%増益に続き、22年3月期は前期比2.1倍の1500億円を見込む。業績面で底となった19年3月期の営業利益は110億8500万円であり、そこからわずか3年で13倍以上に大変貌したことになる。チャート的には急騰の反動が警戒されやすいものの、PER3倍前後で配当利回りが8%前後とファンダメンタルズとの比較で、依然として超割安圏にあり、下値では買いが厚い。また、売買代金も高水準で8月の月間ベースで同社の売買代金は、これまで不動の1位であったソフトバンクグループ <9984> を1年7ヵ月ぶりに上回ることが確実となっている。

■JSR <4185>  3,815円 (+110円、+3.0%)

 JSR <4185> が大幅続伸。SMBC日興証券が30日付で投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を3200円から4500円へ引き上げた。同証券では、半導体材料での継続的な成長に加えて、ライフサイエンスでの増益幅の拡大により、23年3月期以降の増益率がセクター内で特に高くなると予想。また、経営陣の実行力、取締役会の構成、報酬体系の変化といったガバナンスの観点での魅力が株価には十分に織り込まれていないと判断している。今後、上期決算を経て目線が来期に移るなかで、23年3月期以降の大幅な増益への期待が高まると予想している。

■エーザイ <4523>  9,086円 (+131円、+1.5%)

 エーザイ <4523> が5日ぶりに反発。31日、富士薬品(さいたま市大宮区)が創出した痛風・高尿酸血症治療剤「ドチヌラド」についてインドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイにおける開発・販売に関するライセンス契約を締結したと発表。両社は、20年2月にドチヌラドの中国における開発・販売に関するライセンス契約を締結しており、今回の契約締結は東南アジアへの提携の拡大となる。今回のライセンス契約により、エーザイは富士薬品から該当する国々におけるドチヌラドの独占的開発権・販売権を獲得することになり、エーザイは富士薬品に対して契約一時金と販売マイルストンを支払うとともに、新薬承認申請を担当することになる。なお、製剤は富士薬品が生産する。

■オルガノ <6368>  6,360円 (+90円、+1.4%)

 オルガノ <6368> が続伸。30日の取引終了後、米オハイオ州に100%出資で水処理エンジニアリング事業を行う子会社を設立すると発表。今後半導体工場の新設が見込まれる米国において、顧客に密着したソリューションサービスを主体としたビジネスを展開し、グループの事業拡大を図ることが狙い。なお、同件による22年3月期業績への影響は軽微としている。

■エアトリ <6191>  2,934円 (+31円、+1.1%)

 エアトリ <6191> が7日続伸。30日の取引終了後、エスクリ <2196> と業務提携を開始し、エスクリ社サイトで挙式を予約したブライダルゲストに限定で「エアトリ」商品の取り扱いを開始すると発表。これまで遠方から結婚式に参列するゲストは、さまざまな旅行サイトを比較検討し、宿泊や航空券などの申し込みをする必要があったが、今回の提携により、エスクリ社サイトで挙式を予約したブライダルゲストに限定で、「エアトリ」が取り扱う3商品の「国内ホテル」「国内航空券」「新幹線」の検索・予約が可能になるという。なお、21年9月期業績への影響は軽微としている。

※31日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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