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【市況】【杉村富生の短期相場観測】 ─大荒れの株式市場だが、来週には揺れが収まる!

経済評論家 杉村富生

「大荒れの株式市場だが、来週には揺れが収まる!」

●ピークアウトが近い! 円安・米長期金利!

 基本的に、気迷い感の強い相場展開である。いや、週末の株式市場は大荒れだ。トレンドが読めない。確かに、株価は総じて打たれ強くなっている。来週には揺れが収まるだろう。しかし、ウクライナ戦争は泥沼の状態に陥っている。短期収束は難しいと思う。国際商品市況の高騰、インフレリスク、食糧危機などは長期戦に備える必要があろう。

 FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長はIMF(国際通貨基金)の会合において、「インフレに対応、迅速に動くことが適切」と述べた。これが利上げ加速と受け止められ、21日のNYダウナスダック指数は急落したが、5月3~4日のFOMC(連邦公開市場委員会)での50bp(ベーシスポイント→0.5%)の利上げは既定路線である。

 恐らく、FRBは6月、7月、9月に0.5%ずつ、11月、12月に各0.25%の利上げを断行するだろう。3月、5月の利上げを加えると、FFレートの水準(利上げ幅)は2.75%となる。すでに、30年国債利回りは一時3%、10年物国債利回りも2.9%に到達している。これは何を意味するのか。債券は先に売り込まれたということだろう。

 今後、利上げが本格的に始まる時期だというのに、「市中金利はピークアウトした」と決めつけるのは危険だろう。しかし、相場的には長期金利に天井感が感じられる。当然、5~6月にかけてハイテク系セクターの戻りが期待できる。これはドル・円も同じだ。20日の瞬間、129円41銭は目先のピークだったと判断する。


●ミネベアミツミ、ウッドワンなどに妙味あり!

 そもそも、今回の円安進行は日米金利差が主因ではない。インフレ率を考慮すれば日本が高金利だ。ではなぜ、円安に振れたのか。それは10兆円大学ファンドの円売り・ドル買いに加え、石油など輸入業者のドル手当て(国内勢)だろう。これは"損切り"である。半面、自動車など輸出業者のドル売り(利食い)は控えられた。当然の投資行動だろう。

 物色面はどうか。筆者は一貫し、個別銘柄での対応が有効と主張している。ミネベアミツミ <6479> [東証P]はM&A戦略を駆使、業容を拡大させている。先に、都心一等地(汐留)の旧日通本社ビル(28階建て)を732億円で買った。「1000億円の価値がある」と言われ、内外の投資ファンドが狙っていた物件だ。ここを拠点に飛躍を図る。

 同様に、カメイ <8037> [東証P]、日本創発グループ <7814> [東証S]はM&Aを武器に、成長戦略を推進中だ。カメイは地元の仙台では抜群の知名度を誇っている。それを全国規模にしようと意欲をみせている。日本創発Gの祖業は印刷だが、現在は50社を超える多種多様な企業集団になっている。

 このほか、ウッドショックを逆手に取れる(ニュージーランドに4万ヘクタールの植林された松林を保有→先行区画は30年が経過し、伐採可能)ウッドワン <7898> [東証S]、メタバース関連のBirdman <7063> [東証G]が強い。この2銘柄は目先の値動きに一喜一憂せず、ロングランに狙える。

 前述のカメイ(22年3月期は35円配当を計画)はPER4.3倍、PBR0.28倍と割安に放置されているが、グローバルキッズCOMPANY <6189> [東証P]も負けていない。22年9月期の配当は25円を予定している。PERは8.3倍、PBRは0.76倍だ。両社とも「なぜ?」といわれるほどの割安である。

2022年4月22日 記

株探ニュース

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