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【特集】テクで失敗、ファンダで億へ、「根拠なき」から「実感できる」銘柄選びに

第16回 日本株&アメ株で勝つ人
~個人投資家4800人の調査で判明!
(億り人・バガー投資家・ジャミーさんの場合その2)


登場する銘柄
ファナック<6954>、ニトリHD<9843>、ファストリ<9983>

編集・構成/真弓重孝、取材/高山英聖(株探編集部)

【タイトル】JAMMYさん(40代・男性・兼業投資家):
普段は飲食業と情報・通信業を営む兼業投資家であり、奥さんとの二人暮らし。2002年に200万円から株式投資を始め、20年間で日本株資産を1億8000万円に膨らました。08年のリーマン・ショックでテクニカル投資に限界を感じ、ファンダメンタルズを軸にした長期投資に転換。ビジネスモデルと経営者の人間性を重視した銘柄選別が奏功し、累計1000万円弱の元本を18倍以上に増やした。

前回記事「株主総会で社長を凝視していたら元本18倍、億り人に」を読む

「なんで、使えなくなってしまったんだ~(泣)」

ある時点から、それまで通用していた投資スタイルが機能しなくなってしまい、スランプに苦しんだ経験を持つ投資家も多いのではないだろうか。今回登場のJAMMYさん(ハンドルネーム)もその1人だった。

投資を始めた当初はテクニカルで銘柄を選んでいたが、あるイベントを契機に、それまでのやり方が通用しなくなってしまった。「どうしてなのか、当時はとても怖かった」と本人は振り返る。

【タイトル】

苦悩の日々を送る中で、ある著名経営者の講演会に参加したことが、次の勝利の法則を築く転機になった。その法則とは単純明快、優れた経営者が舵を取る企業は強い事業を持ち、目を見張る成長をしていくというものだった。これを投資に応用すればいいと、前回の記事で紹介した投資スタイルを確立していった。

ただし、JAMMYさんがファンダ投資で飛躍できたのには、青春時代に仕事を通じて自分を成長させた姿と無関係でない。またテクニカル投資はただなんとなく始めたのに対して、ファンダでは銘柄を選別する確たる根拠を持ち得たこともある。

苦悩のテクから飛躍のファンダ投資に転換できた過程を振り返ろう。

儲かっていたファナックでつまずき

JAMMYさんに苦悩をもたらしたのが、14年前に起きたリーマン・ショック。100年に1度といわれる大ショックに見舞われた前後の相場の混乱で、それまで順調だった手法が通用しなくなったのだ。

その手法とは、複数のテクニカル指標を組み合わせて売買のタイミングを図るもの。2004~08年の4年間で、特定の6銘柄を対象に売買を繰り返した結果、運用額は600万円から2000万円台に3倍以上に増えていた。

テクで稼ぎ頭となった銘柄の1つがファナック<6954>だった。活用した指標は「MACD(移動平均収束発散法)」と「RSI(相対力指数)」。どちらもオシレーター系と呼び、相場の過熱感ないし転換点を探る指標で、売買のタイミングを図るのに参考になるものだ。

MACDは、日付が近い株価の比重が高い移動平均線を活用して「買い」もしくは「売り」のサインを示す。RSIは、株価の上昇圧力と下降圧力のどちらが強いかを示すもので、「買われすぎ」「売られすぎ」を見極める目安になる。

購入のタイミングは、2つの指標が下落し、重なるように「谷」の形を描いたとき。反対に売却するときは「山」の形が重なったときだ。JAMMYさんは「この2つを組み合わせる売買で、勝率はほぼ100%だった」と振り返る。

当時、ファナック株を選んだのは特に根拠があったわけではなく、2つの指標でさまざまな銘柄を探しているうちに、「この銘柄なら効くかも」と始めたものだった。

鉄板のテクが効かなくなる

ところがリーマン危機の頃から、ファナック株が2つの指標で売買の見極めがしにくくなってしまった。下のチャートの丸で示したところは、JAMMYさんが買い場とみなした08年8月上旬時点の水準だ。ショック勃発の1カ月ほど前になる。

JAMMYさんは、MACDでは「MACDヒストグラム」(チャートの赤い棒線)の動きを特に重視していた。同ヒストグラムはMACDとシグナルの差で、マイナス圏にあるときは下降トレンド、プラス圏にあるときは上昇トレンドにあると考えられている。

このため同ヒストグラムがマイナス圏で反転する兆しが見えたら、上昇トレンドに入る兆候とみなせ、当時はその状況にあった。またRSIも、底入れの兆しを示し始めていた(下のチャート)。

こうした状況から「そろそろ反転するタイミング」と購入したところが、翌9月にリーマン・ショックが襲った。ショック後もMACDヒストグラムは底打ち反転し、RSIも踏みとどまっていても、株価の下落は止まらなかった。

■『株探プレミアム』で確認できるファナック株の週足チャート、MACD、RSIの推移
(2007年1月~08年11月)

【タイトル】

JAMMYさんがリーマンで食らったドローダウンは▲15%~▲20%と、相場の下げに比べて特に大きかったわけではない。しかし、それまでの稼ぎ頭であったファナック株がスランプに入ったことから、JAMMYさんは自分の投資手法に限界を感じるようになった。

転機はカリスマ社長の講演会

MACDやRSIが機能しなくなってきた中で、JAMMYさんが意識するようになったのが、株式投資の王道である業績に基づく投資だった。

ウォーレン・バフェットやピーター・リンチなどのカリスマたちの書籍を熟読するうちに、業績が持続成長する可能性を見極めて投資する手法に魅力を感じるようになったからだ。

さらに2009年頃に、東証1部(当時)に上場する会社を経営するカリスマ社長の講演会を聞いて、なおさら業績の成長力に注目する重要性を痛感した。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



 

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