市場ニュース

戻る
 

【材料】フォーシーズHD---3Q増収、コミュニケーション・セールス事業ではコスト削減プロジェクトにより営業損益が黒字化

フォーシーズ <日足> 「株探」多機能チャートより

フォーシーズHD<3726>は10日、2022年9月期第3四半期(21年10月-22年6月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比2.2%増の17.78億円、営業損失が1.08億円(前年同期は1.26億円の損失)、経常損失が1.07億円(同1.28億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1.03億円(同0.67億円の損失)となった。

コミュニケーション・セールス事業の売上高は前年同期比43.7%減の5.60億円、セグメント利益は0.27億円(前年同期は0.57億円の損失)となった。売上高は前年同期比で下回ったが、セグメント利益は広告宣伝費の効率的な活用やコスト削減プロジェクトによる効果もあり、大幅に上回った。インフォマーシャルについては、地方局においてテレビ通販を始めたが、コスト効率の観点から継続的な運用はできていない。また、コールセンターを活かした顧客育成による収益拡大を目指したが、コスト効率の観点からWebプロモーションへの投資を抑えたため新規顧客数が減少し、売上高全体としては予想を下回った。一方、海外への販売チャネルの拡大は、プロモーション活動を継続し、中国におけるSNSサイトで、約48,000人のフォロワー数を獲得しており、中国国内への販売を加速化していくと同時に、ベトナム、タイ、UAE、マレーシア及びシンガポールへの商談も順調に進んでおり、グローバル展開は着実に進んでいるとしている。

化粧品卸事業の売上高は同5.8%減の3.60億円となり、セグメント損失は0.02億円(同0.61億円の損失)と前年同期に対して大きく改善した。人気ユーチューバーによるプロモーション動画の再生回数が13万回を超え、ドラッグストア等でのモニター設置店舗も750店舗を超え、ピーリング商品だけでなく、スペシャルパウダーソープは大手量販店や新たなドラッグストアへの導入もでき、一定の効果をあげた。海外売上は順調に売上を伸ばしており、「ナチュラルアクアジェル」をはじめ、新商品の薬用ピーリング「ホワイトクリアジェル」、既存品の「エクストラオイルクレンジング」「スペシャルパウダーソープ」は、安定的に売上を伸ばした。

衛生コンサルティング事業の売上高は同53.1%減の0.50億円、セグメント損失は0.38億円(同0.17億円の損失)となった。楽天コミュニケーションズ、福岡県中間市、中間商工会議所との連携による実証において、HACCPジャパンが監修した「あんしんHACCP」アプリの利用者を増やすことにより、継続利用から「BACTESTER(バクテスター)」を利用する検査事業につなげ、検査事業希望者にバクテスター・試薬を販売する計画を実行している。また、中間市ではトライアルとして無償で実施していた同プロジェクトを大阪府東大阪市では有償で導入することとなった。「空間除菌デバイスDevirusAC(デヴィルスエーシー)」については、機器メーカーの倉庫が所在する滋賀県に、クロラス酸水製剤(亜塩素酸水製剤)の製造工場を移転した。移転するための経費計上によりセグメント損益に影響がでたが、今後は輸送コストが削減されるなどにより、効率化が図れるとしている。

アロマ事業の売上高は8.02億円、セグメント損失は0.74億円となった。現在は首都圏に28店舗を運営しており、すでに10店舗の退店を実施しているが、2022年3月には新しいコンセプトのもと、新百合ヶ丘に1店舗を出店した。店舗は、グループ間のシナジー効果を高めるための施策を積極的に行っており、吸収合併したフェヴリナの化粧品、およびCureの商品を「アロマブルーム」店舗で展開をすると同時に、アロマ商品をコミュニケーション・セールス事業の顧客に対して、販売をスタートしている。しかし、店舗の特性に合わせたMD(ブランド、店舗、顧客)コンセプトの見直しに時間がかかっており、さらにコロナウイルス禍による消費者のリテール店舗への戻りは鈍く、売上高およびセグメント損失とも予想を下回った。

2022年9月期通期については、売上高が前期比17.0%増の28.88億円、営業利益が0.09億円、経常利益が0.09億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.19億円とする5月13日に修正した業績予想を据え置いている。

《ST》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均