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【特集】株価本格リバイバルへ、「アパレル関連株」に経済再開の春風吹く <株探トップ特集>

アパレル株が復活。リオープンやインバウンド再開を追い風に業績・株価の回復が進んでおり、見直し機運が高まりをみせている。

―カジュアル衣料にいち早い回復の波、老舗や紳士服にも業績改善期待強まる―

 アパレル 関連株の復活が目覚ましい。同関連株はコロナ禍の打撃を大きく受けたセクターの一つで、これまで感染拡大の波が繰り返されるたびに悪影響の波及が懸念される状況が続いてきた。ただ現在改めて振り返ってみると、コロナ禍初期から1年程度が業績の最悪期となり、以降は大きな流れとして概ね回復基調にあったことがわかる。それとともに株価の戻りも顕著で、既にコロナ禍前の水準を上回っている銘柄も少なくない。新型コロナウイルスの法律上の分類引き下げが決まるなどリオープンの流れが強まるなか、インバウンド再開も追い風にアパレル関連株への見直し機運は一段と高まりそうだ。

●カジュアル衣料の回復鮮明、T-BASE・コックスに注目

 関連銘柄のなかで、まずはファーストリテイリング <9983> [東証P]をはじめとするカジュアル衣料品企業に注目したい。総じて、緊急事態宣言など行動制限の影響を受けたわけだが、そのなかでもコロナ禍が始まった当初は明暗が分かれた。Tシャツなど肌着や部屋着に巣ごもり特需が発生し、「ユニクロ」を手掛けるファストリを筆頭に、しまむら <8227> [東証P]、西松屋チェーン <7545> [東証P]に追い風が吹いた経緯がある。

 足もとでは特需による好業績の反動が継続しており、ここからであれば上記以外の銘柄群が相対的に妙味を増している。既に業績のV字回復が鮮明なアダストリア <2685> [東証P]やユナイテッドアローズ <7606> [東証P]、ハニーズホールディングス <2792> [東証P]、パルグループホールディングス <2726> [東証P]など。直近、ファッション性を重視した新業態を打ち出して話題となったワークマン <7564> [東証S]もマークしておきたい。このほか、中小型の以下2銘柄を押さえておこう。

 TOKYO BASE <3415> [東証P]は衣料品セレクトショップ「STUDIOUS(ステュディオス)」、ブランド店「UNITED TOKYO(ユナイテッドトウキョウ)」を運営。日本ブランドにこだわった品揃えに特色がある。国内だけでなく中国や香港でも出店を進めており、将来的に北米や欧州へも進出する構えにある。インバウンド需要回復を背景に24年1月期は営業7倍増益を見込み、最終損益ベースでは黒字転換を果たす見通し。増配も計画している。

 コックス <9876> [東証S]はイオン系のカジュアル衣料専門店。ショッピングセンターを軸に全国展開している。今年1月に23年2月期見通しの修正を発表し、営業利益を1000万円から4億円へ大幅増額。また、最終損益も従来の赤字予想から一転黒字に見直した。値引き抑制による利益率改善やコスト削減策が奏功した格好だ。営業利益ベースでは15年2月期以来、8期ぶりの黒字浮上となる見込み。

●経営改革でよみがえる老舗アパレル

 株価上昇がひときわ目を引く老舗アパレルも見逃せない。時代の移り変わりとともに百貨店を取り巻く環境が変化するなか、その百貨店向けを軸とする老舗アパレルはもともと苦戦を強いられてきた経緯がある。そこに、コロナ禍が追い打ちをかけた。レナウンの破綻に象徴されるように業界全体が厳しい状況に追い込まれたが、ここにきてEC化など経営改革の成果が着実に表れ始めている。営業利益ベースで、オンワードホールディングス <8016> [東証P]と三陽商会 <8011> [東証P]は23年2月期に黒字転換、ワールド <3612> [東証P]は23年3月期に5倍増益を達成する見込みだ。

 TSIホールディングス <3608> [東証P]は足もとコロナ禍からの急回復の反動がみられるが、引き続きコスト削減などに取り組み黒字を確保。婦人アパレル中堅のルックホールディングス <8029> [東証S]も回復トレンドを維持している。各社とも有配企業でありながらPBR1倍割れとなっており、バリュー株物色の流れに乗る形で株価はよみがえりをみせている。

 老舗アパレルの範疇にある銘柄ではこのほか、三共生興 <8018> [東証S]に着目したい。同社は、「DAKS(ダックス)」など海外の高級衣料ブランドを展開する繊維商社。他社からの受託生産も手掛けている。昨年に、これまで独占輸入販売を行ってきた仏アパレル企業のレオナール社を買収するなど業容拡大に余念がない。2月に四半期決算とあわせて、今期2回目となる通期上方修正を発表。同時に増配も明らかにした。

●紳士服も出直りへ、コナカは今春から出店加速

 紳士服 各社もまた同様に、コロナ禍の業績不振から出直り色を強めている。AOKIホールディングス <8214> [東証P]や青山商事 <8219> [東証P]、コナカ <7494> [東証P]のほか、はるやまホールディングス <7416> [東証S]、グローバルスタイル <7126> [東証S]、ヤマトインターナショナル <8127> [東証S]といった銘柄が挙げられる。

 このなか、業績回復に出遅れ感があるコナカに目を向けてみたい。20年9月期を大底に回復傾向を維持。今23年9月期は当初最終黒字の予想だったものの、傘下のサマンサタバサジャパンリミテッド <7829> [東証G]の業績悪を理由に2月に赤字見通しへ下方修正した経緯がある。そのサマンサJPは足もと赤字縮小トレンドをたどっており、収益改善の方向に向かっていることは確認できる。コナカは直近、スーツの売り上げ回復と今後高まる需要に対応するため、今春から出店を加速させる方針を明らかにしている。

●マツオカやバロック、ナルミヤなども

 このほか関連銘柄としては、総合アパレルメーカー最大手で東レグループやユニクロを主要顧客に持つマツオカコーポレーション <3611> [東証P]、女性向けアパレルのバロックジャパンリミテッド <3548> [東証P]、ワールド傘下の子供服メーカーであるナルミヤ・インターナショナル <9275> [東証S]がある。また、メタバースに絡み物色が向かう場面があったANAP <3189> [東証S]、シーズメン <3083> [東証S]なども挙げられる。


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