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システムサポート Research Memo(5):クラウドインテグレーション事業は繁忙状況が続く

特集
2024年3月6日 15時25分

■業績動向

2. 事業セグメント別動向

(1) クラウドインテグレーション事業

クラウドインテグレーション事業の売上高は前年同期比39.5%増の3,340百万円、営業利益は同32.8%増の497百万円と大幅な増収増益が続いた。販管費の増加により営業利益率は前年同期の15.6%から14.9%に低下したが、売上総利益率は28.0%から28.3%に上昇した。「ServiceNow」関連については利益率の低いライセンス販売の構成比が上昇したため前年同期の43.3%から40.1%に低下したが、その他のクラウド基盤移行・利用支援サービスの利益率がリセール売上比率の低下(前年同期比3.2ポイント低下の51.4%)によって改善したことが売上総利益率の上昇要因となった。

売上高の内訳を見ると、「ServiceNow」関連が前年同期比29.0%増の1,189百万円と好調を持続したほか、AWS関連が同41.6%増の1,168百万円、Microsoft Azure関連が同5.6%増の304百万円、Google Cloud関連が同47.9%増の386百万円、その他が同202.1%増の290百万円となり、すべてのクラウド基盤で売上が伸長した。Microsoft Azure関連の伸び率が小幅に留まったが、Azure OpenAI関連の引き合いは旺盛で、一時的なものとシステムサポート<4396>では見ている。その他については、Oracle Cloud Infrastructure関連が大きく伸長したほか、2022年より取り扱いを開始したCelonis EMSソリューション※も順調に拡大した。

※ Celonis SE(独)が提供するプロセスマイニングプラットフォームで、2022年より取り扱いを開始した。プロセスマイニングとは、様々な業務プロセスを可視化することで現状を把握し業務改善に活用する手法のことで、Celonis EMSでは可視化に留まらず動的な分析によって非効率な業務の根本原因を特定し、改善策の実行からその後のモニタリングまで実施できるため、グローバル企業を中心に高いシェアを獲得している。2021年10月にはCelonisとServiceNowが戦略的パートナーシップを締結していることもあり、ServiceNowの導入実績を持つ企業がCelonisの導入を検討する際には、同社が受注する可能性が高くなると弊社では見ている。

「ServiceNow」関連については引き続き多くの引き合いがあるようで、技術者の新規採用・育成やシステムインテグレーション事業からのリソースをシフトするなどして体制強化を図っている。ServiceNow Japan(同)の発表資料によれば、同社の「ServiceNow」認定構築資格取得数は2021年9月時点の109件から2023年11月時点には386件に拡大し、国内では富士通<6702>、アクセンチュア<ACN>に次ぐ3番手となっている※。市場の拡大に合わせて「ServiceNow」のパートナー企業数も増加しているが、過去の豊富な実績と顧客満足度の高さが評価されServiceNow社からの紹介案件だけでなく、最終顧客やコンサルティング会社経由の引き合いも増加傾向にある。

※ 2023年11月時点の資格取得数は富士通が650件、アクセンチュアが449件で全体では5,390件となっている。

「ServiceNow」関連以外のクラウド基盤移行・利用支援関連では、長年培ったデータベース分野の技術力を強みに、クラウドでのデータベースやデータ分析基盤の移行・構築案件が伸長したほか、移行後のリセール売上高(主にAWS)も顧客数の増加とともに前年同期比37.4%増の1,105百万円と順調に成長し、安定収益源となっている。第2四半期末の顧客数は268社と前年同期末比で61社増加し、顧客単価についても利用分野の拡大や為替の円安効果もあって上昇傾向にある。

(2) システムインテグレーション事業

システムインテグレーション事業の売上高は前年同期比4.3%増の5,784百万円、営業利益は同30.5%減の111百万円となった。収益性が低下した要因としては、外注費率の上昇による売上総利益率の低下(前年同期比1.2ポイント低下の22.8%)と本社共通費用も含めた販管費の増加による。クラウドインテグレーション事業の旺盛な需要に対応するため、エンジニアのリスキリングによるリソースシフトを推進していることが外注費率の上昇要因となっている。ただ、売上総利益は同0.9%減の1,318百万円と微減益に留まっており、実質的な収益力については底堅く推移したと見るべきだろう。なお、事業セグメント別では唯一、前年同期実績を下回ったのがデータベース関連の売上だが、顧客のクラウドシフトにより想定以上に減少し、クラウドインテグレーション事業に振り替わっていることが主因だ。

売上高の内訳を見ると、ITシステム開発が前年同期比12.2%増の3,303百万円、ERP関連が同2.6%増の1,605百万円とそれぞれ拡大基調が続いた一方で、データベース関連は同15.5%減の875百万円と減少した。ITシステム開発については案件が大型化する傾向にあり2ケタ増となった。ERP関連はSAP社の既存製品の保守サポート切れ(2027年末)を控えて、「SAP S/4 HANA」へ移行する動きが継続しており堅調に推移した。

(3) アウトソーシング事業

アウトソーシング事業の売上高は前年同期比17.9%増の1,015百万円、営業利益は同56.3%増の171百万円と2ケタ増収増益となった。増収効果に加えてデータ分析・入力サービスで好採算案件を受注したこともあり、売上総利益率が34.7%と前年同期比で2.9ポイント上昇し、売上総利益も同28.7%増の351百万円となった。

売上高の内訳を見ると、データセンター関連が同14.5%増の813百万円、データ分析・入力及びニアショア等による運用保守サービスが同34.0%増の201百万円といずれも好調に推移した。データセンターサービスについては、顧客の利用業務拡大に伴う1社当たり利用料の上昇が主な増収要因となった。顧客側で情報システムの形態をオンプレミス型からデータセンターを活用したプライペートクラウド型に徐々にシフトしており、顧客単価の上昇につながっている。また、データ分析・入力サービスで受注した好採算案件についてはスポット的なものだが、下期も続く見込みとなっている。ニアショアビジネスについては、SAP ERP製品の保守業務の体制強化が売上増につながった。なお、同事業における月額利用料等のストック型売上高は同8.9%増の685百万円と着実に増加した。

(4) プロダクト事業

プロダクト事業の売上高は前年同期比9.7%増の378百万円、営業利益は同3.5%増の94百万円と堅調に推移した。売上総利益は、「建て役者」で好採算の新規導入案件を獲得したことや月額利用料等のストック売上高の積み上がりにより、同22.2%増の254百万円と2ケタ増益となったが、新規顧客獲得のための展示会出展や営業活動を積極展開したことで販管費が増加し、営業利益ベースでは小幅増益に留まった。ただ、会社計画比では上回って進捗したようだ。

売上高の内訳を見ると、「建て役者」が同22.0%増の133百万円、「就業役者」が同40.0%増の49百万円と好調だったのに対して、「MOS」が同2.7%減の110百万円、「SHIFTEE」が同15.0%減の34百万円と減少するなど明暗が分かれた。「建て役者」や「就業役者」については、展示会への出展や代理店施策の取り組みが奏功し、新規顧客の獲得が順調に進んだ。「SHIFTEE」は導入時のカスタマイズの減少が減収要因となったが、ストック売上高は着実に積み上がった。なお、月額利用料等のストック売上高は同14.2%増の223百万円、売上構成比で同2.5ポイント上昇の59.0%となり、ストック売上を除いた機器販売やカスタマイズ案件の売上については若干減となった。

(5) 海外事業

海外事業の売上高は前年同期比72.8%増の115百万円、営業利益は同22.8%増の31百万円となった。北米で実施しているシステムインテグレーションや人材紹介サービス、給与・会計業務のアウトソーシングが好調に推移した。受注したシステムインテグレーション案件の利益率が低かったため、売上総利益率が前年同期の53.9%から43.9%に低下したが、増収効果により売上総利益も同40.8%増の50百万円と2ケタ増益となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HH》

提供:フィスコ

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