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システムサポート Research Memo(7):2024年6月期業績計画は順調に進捗、過去最高を連続更新する見通し

特集
2024年3月6日 15時27分

■今後の見通し

1. 2024年6月期の業績見通し

2024年6月期の連結業績は、売上高で前期比13.1%増の21,784百万円、営業利益で同21.0%増の1,763百万円、経常利益で同19.8%増の1,755百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.6%増の1,167百万円と期初計画を据え置いた。2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響について、人的被害はなく取引先についても数社が被災にあったものの、全体の業績に与える影響は軽微のようだ。第2四半期までの業績が計画を若干上回るペースで進捗していることや、足元の受注状況もクラウドインテグレーション事業を中心に順調に推移していること、人材採用もおおむね計画どおりに進捗していることなどから、2024年6月期業績も会社計画を達成し、連続2ケタの増収増益、過去最高を更新する公算が大きい。

費用面では、人員体制の強化により人件費や投資関連費用(採用関連費、研修費、研究開発費)、顧客獲得のための営業費用などの増加が見込まれるが、増収効果や売上構成比の変化により営業利益率は前期の7.6%から8.1%に上昇する見通しだ。なお、2024年6月期の採用計画は新卒で106名(前期85名)、中途で94名(同100名)の合計200名を計画している。新卒者については期初計画の111名に対して、内定者数で106名を確保した。中途採用についてもIT技術者の獲得競争が激しいなかで、給与処遇の向上やスキルアップのための教育制度の拡充だけでなく健康経営にも積極的に取り組んでいることが評価されているようで、上期までに50名を採用するなど計画に対して順調に進んでいる。人的リソースは事業成長の源泉であり、IT業界のなかには好環境が続いているにもかかわらず採用に苦戦して成長しきれていない企業も多いだけに、システムサポート<4396>の採用が順調に進んでいる点は前向きに評価される。

(1) クラウドインテグレーション事業

クラウドインテグレーション事業の売上高は前期比2ケタ増が続く見通し。伸び率は前期の57.0%増から鈍化するものの、下期も主力の「ServiceNow」を中心に受注は活況で上期並みの高成長が続くと予想される。クラウド基盤の移行・利用支援サービスは、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudともに拡大基調が続く見通し。導入企業はリスク分散も兼ねて複数のクラウドプラットフォームを利用する傾向が強まっており、3つの主要プラットフォームに対応できる体制を整えている同社にとって追い風となる。

また、AI技術を活用したソリューションサービスの拡大も期待される。同社は2023年5月よりMicrosoft Azure上でChatGPT等のAIサービスを利用できる「Azure OpenAI Service」の導入支援サービスを開始したのを皮切りに、同年10月にはAWSが提供する「Amazon Bedrock」※1の導入支援サービス並びに同社が開発した企業内AIアシスタントチャットシステム「Smart Generative Chat」のAmazon Bedrock対応版「Smart Generative Chat for Amazon Bedrock」、2024年1月にはGoogle CloudのAI技術を活用した「生成AI導入支援サービス for Google Cloud」※2並びに「小売業向けDiscovery AI導入支援サービス for Google Cloud」※3の提供を相次いで開始した。業務効率の向上やサービスの付加価値向上を目的にAI技術の導入を進める企業は2024年以降、本格的に拡大していくと予想され、クラウド基盤の構築から利用支援サービスまで一括して提供する同社にとって事業拡大の好機となる。

※1 AWSが2023年9月に一般提供を開始した生成系AIサービスで、Amazonや主要なAIスタートアップ企業が提供する基盤モデル(機械学習モデル)を、APIを通じて利用できる完全マネージド型サービス。

※2 企業ビジネスへの生成AIソリューション導入の企画・構想からPoC効果測定・運用検討までを支援するサービス。

※3 ECサイトなどを展開する小売業向けに、Google Cloudが提供する最先端のAIテクノロジー「Discovery AI」を導入し、ECサイトにおけるCVR等のパフォーマンス向上を実現するサービス。

(2) システムインテグレーション事業

システムインテグレーション事業の売上高は前期比1ケタ増となる見通し。上期と基調は変わらず、データベース関連がクラウドシフトの影響で減少傾向が続く見通しで、ERP関連やその他システム開発案件の増加でカバーする計画である。また、エンジニアのリスキリングによるクラウドインテグレーション事業へのシフトで外注費率も高水準が続くと予想されるため、利益ベースについては上期と同様に減益となる可能性がある。

(3) アウトソーシング事業

アウトソーシング事業は前期比10%台の増収となる見通し。下期もストック売上が着実に積み上がるほか、データ分析・入力サービスやニアショアによるシステム運用保守サービスについても堅調に推移すると見込まれる。

(4) プロダクト事業

プロダクト事業の売上高は前期比1ケタ増となる見通し。売上拡大施策として、下期も展示会への出展等による見込み顧客の獲得や販売代理店施策を進める。代理店施策については製品の理解度を深めるための説明会を定期的に開催して代理店との関係構築を強化するほか、代理店が販売しやすくなるよう、従来は追加機能など顧客ごとに必要であったカスタマイズが不要となるレベルに機能を拡充する。

新規プロダクトに関しては、2023年7月にリリースした飲食店向け食材在庫予測システム「Smart Rabbit」を共同開発先の(株)ベイクルーズが運営する飲食店に導入した。飲食店で今まで発注担当者が行っていた業務(店舗在庫の予測、売上予測と前月末在庫から店舗の食材の消費量を予測し発注量を決定)を自動化したシステムであり、顧客が既に利用している受発注システム※と連携することで自動発注を実現する。同システムの導入により、発注業務の効率化だけでなく、過剰在庫による食材廃棄や在庫不足による販売機会ロスの減少が期待できる。現在、導入効果を検証しながら機能の改良に取り組んでいる段階にあり、本格的な拡販活動はしばらく先になると弊社では見ている。

※ BtoBプラットフォーム受発注(インフォマート<2492>提供と標準で連携。同プラットフォームを利用していないユーザーは別途カスタマイズ(有償)にて対応。

そのほか、「MOS」の顧客獲得施策の一環として2024年1月よりインボイス制度・電子帳簿保存法に対応したクラウド電子請求書ソリューション「MOS Invoice」※1、並びにクレジットカード決済を簡単に導入できる「MOS Payment」※2をリリースした。機能拡充により利便性の向上を図ることで顧客開拓を進める戦略だ。

※1 請求データを請求書に自動変換し、得意先(発注者)と共有して電子保存できるほか、PDFまたはCSV形式でダウンロードできる。

※2 システムの追加開発を行うことなく、簡単にクレジットカード決済が利用できるサービス(決済手数料2.45%)。(株)ゼウスが提供するクレジットカード決済サービスを採用。

(5) 海外事業

海外事業の売上高は会計業務のアウトソーシングサービスを中心に前期比約10%増を計画していたが、上期にシステムインテグレーションや人材紹介サービスが伸長するなど計画を上回る進捗となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HH》

提供:フィスコ

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