来週の株式相場に向けて=5月「FOMC」経てハイテク株上昇はあるか
4月26日の東京市場で、日経平均株価は一時400円を超える上昇となった。この日の株高の原動力となったのは、日銀金融政策決定会合で「現状維持」が発表されたことだ。もちろん金融政策の据え置きは予想通りの結果だったが、一部から「日銀が国債購入縮小の方法を検討」との報道が流れていたことから、事実上の引き締めへの警戒感が強まっていた。
しかし、日銀の声明文では国債購入縮小には触れられず、月間6兆円程度の買い入れは続く方向性が示された。この発表を受け「金融引き締めに身構えていた投機筋などが一気に円売り・株買いに動いた」(市場関係者)という。これを受け、日経平均株価は一時3万8000円台を回復したが、引けにかけては伸び悩んだ。
東京市場は明日からゴールデンウイークに突入し、来週の立ち会いは3日間のみ。ただ、海外では重要イベントが続き、場合によっては相場が荒れる可能性があることには注意が必要だ。足もとでは、政府・日銀の為替介入がいつあるかが注目されている。また、今晩は米3月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表されるほか、何と言っても4月30日~5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
米国では年3回の利下げが予想されてきたが、足もとでは「年1回かゼロ、場合によっては利上げの議論が浮上する可能性も」(アナリスト)と警戒されている。来週のFOMCでは金融政策は据え置きの見通しだが、パウエル議長が記者会見で今後の金融政策に対し、どのような姿勢を示すかが焦点だ。FOMCの結果次第では、金利に敏感なハイテク株、とりわけ半導体関連株に大きな影響が出てくることが予想される。更に、3日には米4月雇用統計も発表されるだけに気は抜けないだろう。
上記以外のイベントでは、30日には米4月消費者信頼感指数、1日に米4月ISM製造業景況指数、同ADP雇用統計、3日に米4月ISM非製造業景況感指数が発表される。30日には韓国サムスン電子、アマゾン<AMZN>、5月2日にはアップル<AAPL>の決算発表も予定されている。特に、足もとの株価が軟調なアップルの決算内容は注目されそうだ。
国内では30日にレーザーテック<6920>のほか、JR東日本<9020>や東京電力ホールディングス<9501>、1日には三井物産<8031>、2日には三菱商事<8058>や日本航空<9201>などの決算が予定されている。更に、28日には衆議院の3選挙区の補欠選挙が予定されている。その結果次第では岸田政権の基盤が揺らぐ可能性もあり無視はできない。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万7400~3万8400円前後。(岡里英幸)
株探ニュース