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堅調な米雇用統計もFRBの12月判断はインフレと金融市場の動向が焦点に

注目
2026年11月7日 0時55分

この日発表の10月の米雇用統計は、労働市場が堅調な状態にあるとのFRBの見方を裏付ける内容となった。非農業部門雇用者数(NFP)は16.5万人増と予想を大きく上回り、前回分も上方修正され、夏の終盤の雇用増加も当初発表より力強かったことが明らかになった。失業率は労働参加率が上昇していたにもかかわらず、4.1%に低下。平均時給も前年比3.1%となった。

これによりFRBが、来月に広く予想されている追加利上げを実施するかどうかは、今後のインフレ指標と金融市場の動向に左右されることになりそうだ。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。

FRBは9月に利上げを実施した後、先週のFOMCでは政策金利を据え置いた。クック理事とハマック・クリーブランド連銀総裁の2人は、追加利上げを主張し、決定に反対した。FOMCはここ数カ月、労働市場が概ね均衡状態にある一方、インフレは2%目標を上回っていると判断してきた。このため、政策論争の焦点は雇用よりも物価動向に置かれている。

ただ、前回の会合以降の最大の変化は金融市場で起きている。木曜日にはIT・ハイテク株が急落し、10月半ばから始まったAI関連株の売りが一段と拡大した。投資家はAI関連投資の収益性を再評価している。半導体や電力、その他の投入資源の不足によってコストが上昇しており、企業がその上昇分を価格に転嫁するペースを上回っていることが利益を圧迫している。

今回の株価下落が今後も続くのか、また何が下落の原因となるのかは、FRBの政策判断にも関係する可能性がある。急激でも短期間で終わる調整であれば、FRBはそれほど重視しないかもしれない。しかし、AI関連支出を前提とした企業価値の評価が正当化できるのかという疑念を背景に、株価の再評価が長期化すれば、金融環境は引き締まり、これまで経済成長を支えてきた資産効果や投資の勢いが弱まる可能性がある。

そうなれば、FRB当局者が利上げによって実現しようとしている需要抑制効果の一部を、金融市場の調整そのものが担うことになり、これは金曜日の雇用統計の内容以上に重要になる可能性がある。

ウォーシュ議長は、経済の先行きを示す金融市場のシグナルをより重視する姿勢を示す一方、過去の経済活動を反映する月次統計に依存して政策金利を決めることには懐疑的な見方を示してきた。議長は就任前、金融政策において「データ次第」という言葉は最も危険な表現の1つになり得ると指摘していた。政府統計には発表までの時間差があり、その後の改定も多いことを理由に挙げていた。

先週のFOMC以降、複数のFOMC委員は、緩やかなペースで追加利上げを進める必要があるとの見方を示している。こうした発言は、来月に再び利上げが実施されるとの市場の強い見方を概ね裏付けている。

来週は火曜日に10月の米消費者物価指数(CPI)が発表されるが、12月FOMC前に当局者が確認できる最後のCPIとなる。11月分のCPIは政策決定の翌日に発表される予定。また、FRBは次回会合までに、さらに1カ月分の雇用統計も確認できる。

こうした経済指標の結果や株式市場の調整がどこまで進むかによっては、金曜日に発表された米雇用統計の重要性は相対的に薄れ、政策判断において付随的な材料に留まる可能性がある。

株探ニュース

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