JSH Research Memo(6):株式上場により調達した資金は成長投資に充当
■JSH<150A>の業績動向
2. 財務状況と経営指標
2024年3月期末の財務状況は、資産合計が前期末比546百万円増加の2,539百万円となった。流動資産は株式上場に伴う増資等により現金及び預金が393百万円増加したほか、売掛金及び契約資産が104百万円増加した。固定資産は新規農園の開設等により有形固定資産が46百万円増加した。
負債合計は前期末比44百万円増加の705百万円となった。有利子負債が112百万円減少した一方で、期末日が金融機関の休業日に当たったことから未払金が48百万円、未払費用が30百万円、預り金が22百万円増加したほか、未払法人税等が27百万円増加したことによる。純資産合計は同502百万円増加の1,834百万円となった。増資に伴い資本金及び資本準備金がそれぞれ178百万円増加したほか、当期純利益の計上により利益剰余金が145百万円増加した。
経営の安全性指標である自己資本比率は前期末比5.3ポイント上昇の72.2%、有利子負債比率は逆に10.1ポイント低下の4.2%となるなど、増資を実施したことにより財務基盤の強化が進んだ。同社は調達した資金を新規農園の開設などの成長投資に振り向ける意向である。設備投資額としては多額の投資資金を必要としないため、中長期で見れば障がい者雇用支援事業の成長とともに財務基盤の強化が進む見通しだ。収益性に関しても2024年3月期は売上高営業利益率で6.0%、ROEで9.2%だが、相対的に利益率の高い障がい者雇用支援事業が今後の成長ドライバーとなるため、2025年3月期以降も収益前提が変わるような法改正など環境変化がない限りは、上昇傾向が続くものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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