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CAICAD Research Memo(6):2025年10月期は増収増益(黒字転換)を見込む(2)

特集
2025年1月27日 13時06分

■CAICA DIGITAL<2315>の中期経営計画の方向性

4. 中期経営計画達成に向けた主な施策

(1) 既存Web3事業の拡大

・カイカコイン(CICC)の資産価値向上

同社が発行するカイカコインについては、GameFiとして注目されるゲーム内決済通貨としての活用など、活用シーンを増やすことで資産価値の向上を図る方針である。2024年2月29日には韓国(ソウル)のWeb3企業であるSevenlineLabsとの業務提携により、韓国暗号資産市場の開拓を開始した。カイカコインのユーティリティ向上のほか、「Zaif INO」の拡大(韓国有力ゲームのNFT出展など)につなげることが狙いがある。

・「Zaif INO」におけるサービスの拡充

「Zaif INO」については、クリエイターが制作した作品のNFT化からマーケティングまで包括して行っているが、2023年11月に「Zaif INO」でのカイカコイン決済を実装するとともに、同年12月にはカイカコインで決済可能なNFTの第1弾販売を実現した※1。2024年1月にはクレジットカード決済も可能となったほか、同年5月からはTOPPANとの連携により、NFCタグ機能を活用したNFT配布サービス(NFTカード)の提供を開始するなど、ユーティリティの向上を図っている。また、NFTカードを活用した「NFT漫画プロジェクト」※2も始動し、第1弾、第2弾を相次いでリリースした。

※1 カイカコインで「Zaif INOデジタルプレミアムチケット」を購入すると、通常価格よりもディスカウントされる特典がついている。

※2 「Zaif INO」と(株)実業之日本社の協業により、NFTを通じて漫画家の出版活動を応援する「NFT漫画プロジェクト」を開始した。支援型漫画NFTと投資型漫画NFTの2種類がある。

・Web3型のデータ保管サービスの展開

同社ではブロックチェーン技術を活用した次世代のストレージサービスを展開しているが、従来のストレージサービスはデータセンターのセキュリティに関して潜在的なリスクをはらんでおり、分散台帳技術の活用によりセキュリティ向上を図る考えだ。また、決済にカイカコインを用いることでユースケースの拡大にも寄与していく※。今後は事業ドメインの拡大とユーザビリティの向上を継続して行うことでシェア拡大を図る戦略である。

※ BtoB決済にカイカコインが利用される事例として、カイカコイン、及びブロックチェーンの分散型ストレージ技術を活用し、改ざん不可能かつ永続的な運用が可能な電子帳簿保存サービスの開始がある。

(2) DXコンサルティングによるSI事業の伸長

これまでの「Zaif」の運営や「Zaif INO」の運用実績を生かし、CtoCプラットフォームやIPを保有する企業に対してWeb3事業開発のノウハウを提供していく※1。また、主力の「ITサービス事業」については、従来、開発案件の二次請け受注業務が中心であったが、新しい体制を構築することで、上流工程の高単価案件を獲得し収益構造の抜本的な改革を目指す方針である。その一環として、従来のウォーターフォール型の開発体制と併せて、アジャイル型の開発チームにて新たなスクラム体制を組織した※2。また、大手エンタープライズ向けのDXソリューションパッケージを有する海外ベンダーとの提携により、ソリューションパッケージの販売代理、コンサルティング、導入、付随するシステム構築、保守運用までを一貫して、フルSIとして提供する体制を構築した。

※1 Web3の事業化に対するコンサルティングとして、「CAICA Web3 For Biz」の提供を開始。

※2 アジャイル開発は、「計画→設計→実装→テスト」といった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返すところに最大の特徴がある。仕様変更に強いうえ、サービスインまでの期間を短縮することができる。

(3) M&Aによる事業拡大

引き続き、M&Aも重要な戦略の1つとして位置付けており、以下のような対象企業を想定している。

・ブロックチェーン関連企業

ブロックチェーンを活用したサービスを展開する企業を対象とし、同社のノウハウを注入することでさらなる事業拡大を図る。

・Web3と親和性の高い企業

ゲーム開発会社や、独自のIPを所有する会社を対象とし、同社とのシナジー創出により高い収益性を目指す。

・システム開発企業

旺盛なシステム投資意欲を背景とする需要過多な状況に対応するため、M&Aにより獲得したリソース(人的資本等)を活用するとともに、新規顧客の開拓により事業拡大を図る。

5. 人材の確保

上記の施策を進めるうえでの課題は、専門分野に特化した人材及びハイスペックな人材の確保であるとの認識に立ち、人材の獲得にも注力する方針である。具体的には、ヘッドハンティング会社や専門分野に特化した紹介会社の利用による採用活動に加え、現状の社員紹介制度を充実させていく考えだ。中期経営計画最終年度の2026年10月期までに「ITサービス事業」の人員(パートナーを含む)を725名(2023年10月期末比57名増)に増やす計画であり、1人当たりの売上高は8.5%増加する想定である。

6. 弊社の注目点

弊社では、好調な受注環境の下、「ITサービス事業」への集中を図るとともに、ブロックチェーン技術の活用やWeb3ビジネスとの連携により、ほかのシステム開発会社との差別化(高成長及び高付加価値化)を図る方向性は、同社の強みを生かす理にかなった戦略と評価している。一方、数値目標に対しては進捗に遅れが見られるが、想定外の暗号資産評価切り下げによる影響を除くと、1)Web3ビジネスの本格化には長期目線が必要であること、2)「ITサービス事業」において利益率重視の案件選別を進めていることなどが構造的な要因となっている。もっとも、新たな収益ドライバーとして期待されるDXソリューションサービスが2025年10月期以降の業績に乗ってくることを勘案すれば、結果的に最終年度目標に近づくことになるであろう。したがって、今後は安定している「ITサービス事業」の既存ビジネスに加えて、DXソリューションサービスの拡大により足元の業績を伸ばしながら、Web3ビジネスへの展開をいかに加速させていくのかがポイントになると考えられる。また、中長期の目線ではWeb3ビジネスの拡大が同社の収益構造や成長モデルにどのような変化を及ぼすのかに注目している。Web3ビジネスではユーティリティ性の高いコイン(トークン)が活用され、手数料収入が収益源となるため、同社が目指す相場の影響を受けにくい収益構造への転換(収益の安定化)が一段と進むことになる。そのうえ、アライアンスパートナーの成長が同社自身の成長につながるため、いかに有力なタイトルやスタートアップを探り出し、成長を支援していけるかが重要なカギを握る。いくつもの成長の種をプラットフォーム上(「Zaif INO」など)に囲い込み、そこから成功事例を輩出できれば、アップサイドの利益を存分に享受できる成長モデルとして高い評価を得ることもできるだろう。いずれにしても、需要が拡大しているDXコンサルティングの伸び、さらには中長期的なWeb3ビジネスのポテンシャルの両方を取り込むためには、人材の確保が最大のテーマであることは明らかであり、M&Aを含めた人的資本の強化にも注意を払う必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HN》

提供:フィスコ

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